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母心  裾野は広く 豊かなり

 

 

人間にとって最も尊いものは命の絆です。

この地上世界に生まれ出るときに、誰もが一度は体験する胎内潜りは、霊界意識を人間界意識に切り替えるための、尊い儀式であり神事でもあります。

母の母胎に宿った生命は、十月十日の間は母とともに生きています。

栄養も新陳代謝も母の生命とともに生き、喜びも悲しみも分け合いながら生長するのです。

つまり個性は違えど一体である。

一つの命だと想えるからこそ母性が存在する。

母性は我が子の性質を選ばず、自分の魂の分身として無条件で子宝を受け止めたはずです。

母子の絆は既に霊界で決めてくるもので、地上世界に生まれ出て霊界の記憶を失った後でも、感性として魂そのものが覚えているのです。

無条件で子宝を受け止めた母性愛と、それこそ無条件で育成の総てを母に託した信頼。

それが母子の絆の根底にある真実です。

たとえ不完全な姿で生まれたとしても、血を分け肉を分けた身体の分身である。

ゆえに人間は母性を想うと愛情の原点を取り戻します。

人生途上で如何なる不遇の中に置かれようと、母との絆を想い返せば、本来の自分を取り戻すでしょう。

母の愛は海原よりも広く、海底よりも深いものです。

母心は人を選ばず、ただ我が子を愛でる…。

こうした母子の絆が現代人には軽んじられている。

生み出した子供を我が子として愛せない女性は、霊性が低くなっていると言わざる負えない。

また地上に生み出してくれた母を、我が母として尊ぶことが出来ない子供も、霊性を失いつつある状態である。

これは個別主義を歪曲させた社会通念にも原因があるが、常日頃から人間としての心を蔑ろにしてきた、本人の人間性にも大いに責任があるのです。

執着愛も困ったものであるが、母性を失い我が子を冷遇する母親よりはましである。

執着愛は我欲が母性を歪めた状態であるが、やがて時を経て子離れ(親離れ)すれば解決に向かうでしょう。

いずれにしても母は子を愛し、子は母を尊ぶことで、それぞれの心を豊かに育むことになります。

それが生命としての原点でなければならない。

その根源には大和の心を一つに結び合わせた天照大御神の母心が、常に母性の源として存在するのであります。

 

 

 

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