判断五大要素

 

【 値 打 】

 

判断の理念の五大要素の四つ目は『値打』です。

値打とは如何なる価値があるかということです。

価値観の問題は重要な要素でありまして、何に対して価値ありや否やを明確にすることで、判断力は驚くほど高まってゆくのです。

値打の語源は音打(ネウチ)でありまして、対象物の価値を確かめる際に叩いて音(性質)の響き(性状)を調べるのであります。

スイカの良し悪しをコツコツと叩いて調べたりするのもスイカの値打ちを確認する行為である…。

相手の人格(音)を確かめるために、言葉で応答(叩いて)しながら性格(響き)を確認する…。

こうして価値を調べる際に音の響きで感受しようとする行為を人間は自然に行っていると言うことです。

また値打(音打)の値(ネ)は根でもあり、対象の価値が何処まで深く広く根源(解答)を網羅しているかを確かめる洞察行為でもあります。

表面だけの薄っぺらなものか、ある程度は流用可能なものか、それとも物事の真髄まで達したものなのか…。

そうしたルーツ(根源的価値)を探るのも価値観の高揚に繋がる徳性であります。

音にも魂が宿るわけですが、一音ごとに音なりの性質があり、音としての存在感を自己表現してまいります。

これは古来から音霊(おとみたま)と言われたもので、人間も言葉(音声)を発して意思(心魂)を伝えんとするのです。

そうして互いの価値観を確かめ合い、妥協点(打響点)を見い出すことで打ち融け合うのです。

何もせず無関心を決め込むもの同志が判り合うことは難しく、他者の存在を認めず排斥するもの同志から打開案が出ることも困難であり、自己の損得に拘る利己主義者同志が心根から打解することは絶望に近いでしょう。

音霊の共鳴は和睦(むすび)無くして有り得ないし、物理的な個別主義では正確な価値が読み取り辛いのです。

つまり個性というものは魂の流動的価値を単体としての存在形態に納めることで、それによって自己の存在感を明確に打ち出すことは出来るが、自我が強まれば強まる程に個別価値のみが強固となり、他者との価値共有は同質の者だけの世界観に終結するのです。

頑固(強固)は頑なである分だけ分かりやすい性質(性格)ではあるけれども、周囲に対する配慮や譲歩が期待出来ない堅物に他なりません。

判断の五大要素の一つである値打に於いても、徳性段階に於ける高低の差が現れるというのは事実なのです。

値打(価値観)の高さ深さも悟りの現状を露呈すると言うことです。

自我を薄められる徳性求道者は縦横無尽な自己展開を駆使して、共鳴の枠を広げる努力をしています。

謙虚な姿勢さえ失わなければ人類は明るい未来が訪れる…。

それは真なる値打(価値観)を悟り、その値打(音霊)の共鳴融和によって実現するのであります。

 

 

徳性開発十大理念【判断】【継続】