判断五大要素

 

【 乗 換 】

 

最後に判断の理念の五大要素の五つ目は『乗換』です。

この『乗換』の意味合いは心(気持ち)の切り替えであり旧態からの決別であります。

おそらく判断を決し得ない理由は、捨てられない何かを何時までも掴んでいるからでしょう。

新たな価値観を掴み取る際に、古き価値観を掴んだままでは両手(心身)が塞がった状態なので、古き価値(慣習)が邪魔をして新たな価値(慣習)を掴み辛い状態になっているのです。

物事の良否判断は、心の内面に於いて熟考を重ねる際には細部に至るまでネガティブな発想が必要ですが、時を経て良否判断を決したなら迷わず行動に移し、その際に巻き起こる数々のトラブルにはポジティブな発想で乗り越えてゆくのみであります。

徳とは行ずる十四の心と書いてある通り、天意に繋がる貴い精神を行動に移せてこそ体現したと言えるのです。

どんなに良き心掛けを持っていても、実践出来なければ絵に書いた牡丹餅で、何処までリアルに牡丹餅を書かれても心魂の飢えを満たしてはくれない…。

旧態との決別は心痛を伴なうことが多いのは当たり前の話で、慣れ親しんだ慣習を捨てるには大きな勇気が必要である。

それまで逆回転していた運命の歯車を正回転に戻すためには、心身ともに摩擦(苦痛)も味わうであろうけれども、それらの苦痛は旧態の嘆きであり執着固着を外させないための恐喝であります。

ここに於いて大いなる英断を下し、迷うことなき断捨離を決行することです。

どのような高貴な英断を下しても幾許かの後悔は残るであろうけれども、何を選択しても必ず其れなりの後悔が残るのであるなら、いま出来うる限りの最善を掴み取って実践あるのみです。

行く先の違う列車に乗り換えるのであるから、それまでの乗り心地や窓際に流れる風景も異なってくる…。

新たな環境と境遇を真摯に受け止めて、生まれ変わった気持ちで前向きに生きるべきであります。

過去の栄光や威信体裁などは重い足枷になるだけで、謙虚な姿勢を失わないためには努めて初心を忘れないことです。

常に新たな道を開くパイオニアはフロンティア精神に溢れている…。

それは自己自身が常なるチャレンジャーであることを知っているからです。

大きな障害に弾き返される予想も出来るが、恐れずに立ち向かう心根には太陽の徳性を湛えて、地道にコツコツと歩む永遠なる旅人として、より多くの人々の真なる幸福を供給できる判断力を磨いて致だきたい…。

ここまで判断の理念の五大要素として@『納得』A『認識』B『縫合』C『値打』D『乗換』について語ってまいりました。

これらの言葉が心ある人々の精神の糧となりますように…。

正しい夢を実現するための歩みの友となりますように…。

 

 

 徳性開発十大理念【判断】【継続】