【く】 

 

砕け散る 恐れを捨てて 気を配れ

 

 

新たに何かを始めようとすると様々な困難が見えてまいります。

物事には必ず利点と欠点が混在しますが、軽はずみに利点だけを見て失敗する人も居ますし、慎重すぎて(欠点だけを見て)動けない人も居ます。

また状況が良く見えないまま飛び込んで好結果を得る人も居れば、臆病に考え込んで動かなかったことで大難を避けられた人もいるでしょう。

想いと行為は結果の良し悪しで評価されるとしても、その評価の範囲を広げれば、目先の結果の良否が将来に於いて逆転する場合も多いはずです。

源平合戦を紐解けば、大軍の平家に立ち向かう源氏軍は少数精鋭ではありましたが、源義経の戦略は常に最も困難と思われる戦術を行使したものでした。

この戦況は直面する目先の戦闘では誰が考えても不利な状況で、実際の結果を見ても当面の闘いでは苦難困難を極めたのです。

しかし義経軍(源氏軍)は怯まず軍を押し進めて、土地柄や自然現象を味方にして形勢を逆転させています。

当面は苦しい戦況であると判っていても、長いスパンで発想を通せば困難な現況を打破する道が見えてくる…。

大切なことは、遠くに見える好結果まで如何にして辿り着けばよいか…という発展的段階論なのであります。

この部分に注視してきた起業家は多大な社員を抱えても大企業に成長しているはずです。

京セラの稲盛和夫は誰もが不利だと思われた電話事業に参入しました。

当時の電話業界はNTTによる独占事業でありましたが、稲盛和夫が抱いた遠大なる理想は、電話事業に競合を取り入れることで、サービスの向上や機種性能の進展などが実現すると言うことです。

さらにその理想の根幹には、人々の生活に貢献(安価で高性能なシステムで)するという人類愛が存在するのです。

これは経営の神様である松下幸之助の大望でもあり、電化製品を大量生産することで低価格化を実現して、広く社会に貢献するというものでした。

現代ではライフライン(電気・ガス・水道)を張り巡らせることで、低価格供給が実現していますが、こうしたライフラインが整備される以前から、社会貢献の為に会社を立ち上げた先駆者たちは、目先の失敗を恐れることなく人類愛の理想実現を描いたのです。

それは庶民の暮らしを想う気心(気遣い)の夢追い実現でありました。

 

 

 

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