12 男女の根本理念

 

人間は地上に生まれ出て、家庭や社会に育まれつつ成長するに従い、誰に教えられるともなく自然に異性を求めるようになります。

若い皆さんにとって最も興味関心を占める領域が多いものと言えば、やはり異性に関する思いではないでしょうか…。

なぜ男性は女性を求め、女性は男性に心惹かれてゆくのでしょうか…。

このことに就いて男性として(或いは女性として)の根本理念を探りながら、男女お互いの特質の違いを語ってみたいと思います。

男性としての根本理念は『繁栄』であります。

積極的に物事に取り組み、常に向上を臨んで運命を開拓し、アイディア(智恵)を尽くし精神を尽くして、世の中を創り上げてゆく原動力こそが男性としての根本理念であります。

そして一人のみで創造作用を進めてゆくのではなく、供に歩んでいる他の人たちと力を合わせて、全体の為の一個性として発展を臨んでゆく…。

そうした働きに徹すると言うことに於いて、男性は『繁栄』の理念を司ってゆくこてが出来るのであります。

女性としての根本理念は『調和』であります。

積極的に物事を育み、接する全てを生かしつつ、優しさ(愛)を尽くし精神を尽くして、世の中に潤いを満たしてゆく原動力こそが女性としての根本理念であります。

手と手を携え合い支え合いながら、安らかなる想いを深めつつ、供に歩んでいる他の人たちを心から労り、全体の為の一個性として秩序を重んじてゆく…。

そうした働きを尽くしてゆくことに於いて、女性は『調和』の理念を司ってゆくことが出来るのであります。

男性は何処までも成長を望む為に、どうしても視点が外のみを向きがちであるため、心の内を隙間風が虚しく吹いていることが多く、或る意味に於いて愛に欠けている(不足している)面があるようです。

女性は全てを育んでゆく優しさがある為に、どうしても視点が内のみを向きがちであるため、創り出してゆく意識が薄れがちで、或る意味に於いて創造性に欠けている(不足している)面があるようてす。

このような男性としての長所短所、女性としての長所短所は否めない部分であると思いますが、このお互いの長所を誘い合い、お互いの短所を補い合い埋め合わせてゆくところに、完全なる創造が行われてゆくことも事実であります。

例えば一つの家を建てる時に、先ず大まかな造作として、男性的な力強さで土台を固め、柱や梁を組み、屋根を葺き、頑丈な壁を取り付けてゆく…。

これらの大工事は粗雑であるが積極的にドンドン組み上げてゆく男性的な働きであり、清楚な女性には不向きであるわけです。

しかし外部の大まかな作業が得意な男性であっても内部の造作となると、どうしても女性の繊細さにはとても及びません。

内部の壁紙を貼ったりペンキを塗ったり、タタミやカーペットを敷いたり、各部屋の家具の配置を決めたり、花や絵画などを飾ったり…。

こうした内部空間の機能性を、繊細な美的感覚で工夫してゆく女性的な働きは、開拓精神の豊かな男性であっては不向きであるわけです

これらのことから、どうやら男性は『芸術』を司っており、女性は『優美』としての優しさや美しさを司っているようです。

こうした男女の根本理念が地上人間に働きかけて、心の内から魂の響きとして訴えかけてくるのであります。

それ故に男性は積極的に運命を開拓してゆく為の基盤(基本となる女性的優美の理念)を求めるのです。

昔から男性が結婚をすると『身を固める』と言いますが、それこそ運命の開拓の為の基盤を固めたという意味合いであります。

そして女性は母性本能とも言われる調和なる理念である為、男性的芸術(理想と言ってもよい)に心ひかれてゆくのであります。

こうして男女の根本理念を読み取ってゆくうちに、繁栄と調和の理念には自ずと其の働きに於いて順序があるということに気が付いてくるのであります。

それは樹木の成長に例えるならば、樹体そのものが先ず生長しないことには(内を育む働きかけをする縁がないことには)その樹木を内部から活かしめる調和なる働きかけが出来ないということになります。

逆に樹木が単に生長のみをして内部に調和なる働きが無ければ、やがて樹木は朽ち果てて枯れてしまうことでしょう…。

これは男女に於いての優劣の問題では無いのです。

あくまでも個性に於いての働きの違いを表現している訳ですが、近年とみに男女同権が叫ばれ、女性も男性同様に扱わなければならないと主張する方が多くなってまいりました。

生命ということに於いて、魂の本質としては男女は間違いなく平等であると言い得ます。

しかしそれぞれの働きに於いて適する位置があるとも言えるのです。

この男女の魂の本質としての働きの違いを、どうか誤解されないで致だきたい…。

男女は本来は同じ土俵の上で競争原理の下に争い合うべきではないのであります。

ここに男女ともに『謙虚さ』というものが浮き彫りにされてまいります。

謙虚さというものは女性のみに必要なものではなく、男性にとっても必要な理念であります。

謙虚ということが決して控えめであってはいけないし、決して弱々しくすることでもないし、持てる力を放棄することでもありません。

皆さんの生命は永遠に生き通しであり、進化の枠付けは無限であります。

そうであるならば謙虚であるが故に積極的に向上を臨んでゆけるし、謙虚であるが故に常に愛を広げて(施して)ゆけるはずです。

どうか謙虚さというものを誤解されないで、一人一人の個性を全生命の進化の流れのために最大限に発揮して致だきたいと想います。

男性が居て女性が居て、繁栄と調和の理念が一つに結ばれ、二つの性が融和によりて素晴らしい世界が、この地上にも現れ続けられますことを祈っております。

 

 

 

07  実相流転 【水の道標編1】