30 頑丈な枝ぶりよりも、

柳の柔軟性を目指せ…

 

自分の弱さを十分に知っているものは、その弱さを克服しようと自らを鍛えるわけですが、そこには二つの方向性があるのです。

一つは、その弱さを克服するためのアイテムを所得せんとする方向。

いま一つは、その弱さを耐え忍ぶ精神を磨かんと努力する方向。

このニ方向は実は、どちらも大切な方向性で、双方ともに培っていかなければならないのです。

しかし時を急ぐものは、どうしても手っ取り早い方法論を求めるもので、それは何者にも負けない強い意志をも感じさせ、頼もしささえ想わせます。

しかし人生には常勝は有り得ないわけで、むしろ負けることの方が多いはずです。

形の上では勝ったように見えていても、心境的に負け組に入っている場合も多いということを知らなければならないのです。

形の上の勝敗は、本人の表面的な評価になるため、ほとんどの人は勝敗において優位に立ちたいと切願するでしょう。

この想いそのものを否定するものではないのですが、目先の一勝を得んがために、心身ともにムリが生じて、大局において人生の大敗を経験する人もいるのです。

あくまでも勝敗は、大局において望むものであり、目先の一勝は、その通過点に過ぎないということです。

そうであるならば、目先の勝ちを拾うための強引さよりも、負けを最小限に悔い止める技術(思考・想念・実践)を磨き、ゆくゆくは負けの少ない人生の達人となるための、足場固めの方が重要だと想われます。

波風を小賢しく避ける技術よりも、耐え忍びながらも小さな一歩一歩を踏みしめ続けられるような魂の傾向性を磨いた人の方が、おそらく遥かに高い精神に達し、遥かに遠くの道のりを歩みつづけられるはずです。

徳性を育む初期段階では、とくに頻繁に敗北を経験します。

それは自分にとっては、かつて無い未踏の地に臨むわけですから、あらゆる面で不安や恐怖も頭を擡げてくるのです。

そんな状況下で常勝を行くと豪語する方が愚かであります。

そうした考えが出てくることじたい、すでに過信・盲信・慢心の魔の手が入っていることを知らなければならない…。

むしろ負けても負けても、そのたびに立ち上がり、また一歩づつ立ち向かう心構えが必要であります。

そうして負けるたびに、その敗北の意味内容を自分なりに分析して、次回のチャレンジに生かしてゆくことによって、その敗北は、智恵や教訓を導き出すための途中経過に変わるのであります。

そうして一度や二度の挫折に屈することなく、人生の大望を貫徹する精神を磨いていただきたいと想います。

 

頑丈な枝は、えてしてポキッと折れやすいのです。

しかし柳のような柔らかさ、しなやかさにおいては、かえってそのシナリが強風雨に屈しない打たれ強さになっている…。

今がダメでも次がある…。

明日がある…。

今日は届かなくても、いつかきっと届く…。

一つの失敗は、一打数0安打に過ぎない。

それを二打数一安打とするか、三打数ニ安打とするかは、今後の踏ん張りしだいである。

目先の打率が低迷していても、生涯打率で三割・四割を打てば、野球界では殿堂入りするのです。

人生においても生涯打率をこそ大切にして下さい。

人生の大バッター(偉大なる達人)は、ひと時の高まりよりも安定した魂の傾向性をこそ、コツコツと築いてゆくのであります。

あなたよ、焦ることなかれ!!!

むしろ一打席ごとの要因を分析できる人徳者となれ!!!

 

 

 

16 徳性開発 【謙虚】