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11 え (縁起) |
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人間には通常、一人につき一体づつ守護霊がいます。 守護霊は人生の所々で水先案内人として手を加えてまいります。 しかし地上人間が人生のメインなので、その導きは強制ではなく補佐なのです。 大きく道を外さないかぎり、地上人間の主体性を守ります。 だから人生の方向性が決まるまでは辛抱強く待っているのです。 どのように生きたいのか、何をしたいのか…。 迷いの中にある間は、それなりのヒント(気付き)を投げかけてくることはあります。 しかし最終判断は本人に任せるということが霊界での約束事なのです。 この事実から何が見えるかですが、運命は決め付けられたものではなく、ある程度は主体的に選択することが出来るということであります。
生まれながらに決まっているものは宿命です。 宿命とは宿る命と書いてありますが、端的に言えば魂の傾向性でしょう。 前世で心に刻んできた強き習慣。 何度も繰り返し植え込んできた心の習性が、魂の内部から知らず知らずのうちに外界に出てくるのであります。 それは本人の見方や考え方、受け取り方や割り切り方など、人によって微妙に違った精神構造がありますが、これらは前世から持ち越してきた魂の傾向性なのであります。 心の中に刻まれた魂の傾向性が機縁となって、いつも同じような判断傾向が現れてくる…。 しかもそれが最も自然な在り方として発現されてくる…。 こうした目には見えない宿命に、人間は逃れられない強迫観念を感じたりもします。
皆さんはカルマの刈り取りという言葉を聞いたことがあるでしょうか…。 前世で積み重ねた悪業を、今世で刈り取るために人は生まれ出たのだと説明されているはずです。 たしかに魂の傾向性には善し悪しは混在していて、人間としての品位が損なわれる傾向性もあるでしょう。 だからその悪しき傾向性を今世で刈り取る(修正する)作業もしなければなりません。 大方の人間がこの悪業の刈り取りのために人生を生きています。 しかしその事実を殆どの地上人間は気付いてはおりません。 何らかの宗教に属している方であれば、おぼろげながらも感じ取っている人生の意義でしょう。 そしてこれが実は『おもい』の徳目に該当いたします。 この悪業の修正を思い付き、それを実践できることは、ただそれだけで自身の本来の魂は神の子として純粋無垢なる光(愛)であることを認めているということです。
悪業の刈り取りのための人生は、本来の神性を取り戻すために必要であり、本当はこれが最終目的ではないのであります。 では何が最終目的になりうるかですが、本来の神性を磨き、善き魂の傾向性が現れたなら、その神性でもって善業を積み重ねることが本筋になるということです。 愛とは何ぞや、愛を深めるとは如何なるものか…。 その愛を実践する心を持続させるには何が必要か…。 そしてその先には何が待っているのか…。 善業(神性)を実践するということは愛の自覚(自他一体の境地)を深め、神の子の自覚(神我一体の境地)をも深めてゆくということであります。 これこそが『縁起』の徳目に該当いたします。 したがって『おもい』の徳目においては『思い』の自己チェックと反省回顧がメインになりましたが、『縁起』の徳目においては『想い』の自己チェックと使い分けがメインになります。 人の数だけの真理があるため『想い』の使い分けも人の数だけの選択肢があって当然なのです。 ここに自己都合ばかりを優先するならば、その人は他者への配慮が出来ない自己中心者に成り下がります。 そうした人は心の原点に立ち返って『おもい』の徳目の中の『思い』の徳積み(自己チェックと反省回顧)から遣り直さなければならないでしょう。 この日々の基礎修養なくして調和の徳性・『縁起』の徳目はありえないということを肝に命じて、地道な努力を習慣化していただきたいと想います。 この基礎修養を怠ると人格の香り高さが滲み出てこないため、本人の現状の徳性では他者は治めきれず(他者からの信頼も得られず)、その欠けたる人格の穴を埋め合わせるために、権力や経済力に頼らざる負えないような惨めな人間に成り果てます。 もはや人間力では他者を率いて行けないことを本人自身が知っているからでしょう。 人間とは何ぞや、真理とは何ぞや…。 こうした基礎精神を深め続ける人格者こそ本物の徳者であります。
こうして長々と『縁起』の徳目について語ってまいりましたが、人間関係における他者への配慮は、『思い』ではなく『想い』を用いるということ。 そうして『想い』が純粋無垢なる状態を保つためにも、常日頃から『思い』を磨いておかなければならないということ。 常に先入観(拘りや囚われ)を廃した視点を『縁起』の徳目の始点にして、他者への愛の想いを深めていただきたいと切願いたします。 歪んだ精神が横行する現代、愛による誤解を解いてゆけるのは、精神を磨き心を高め続ける徳性開発求道者だけであります。 |