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20 ゑ (感性) |
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現代は感性そのものが誤解されたまま、誤った使われ方をされています。 他者との響き合いにおいて、自らの個性と同じ性質をもった相手との共感を追い求めることだけが感性ではありません。 これは感性という徳目を磨くうえでは初期段階にはなりえますが、本来の感性は他者の生命の本質(実相)との一体感なのです。 そのためには自分の個性を限りなく薄める努力を要します。 なぜなら自らの個性(色眼鏡)が色濃いままでは、相手の個性の同じ色合い部分しか感応し合わないからです。 この色眼鏡(個性)のままで周囲を見回した世界観は、本人の色合いの範囲内での偏見でしかないのであります。 しかし自身の色眼鏡(個性)の濃さに本人が気付いていない場合が多く、そうした人の性質を本人に説明しても、大抵は理解もされないし進展も望めないことが多いでしょう。 残念ながら個性の強さは、本人の人生途上における数々の経験や体験が蓄積された結果であり、いわば本人の心の領域において信念にまで高まった部分なのです。 その信念は経験をもとに構築されたもので、本人にとっては真実以外の何ものでもないでしょう。 このこと自体は何ら問題ではなく、むしろ人生観の構築において重要な意味あいを呈しております。 しかしこれと同じ尺度で他者をみると殆どの人が失敗をするのです。
歴史を変えるような偉人の人生に多くの教訓を学ぶことが出来ますが、万人が偉人の人生と同じ生涯を生きられるわけではない…。 そこには学び得た数々の教訓を自身の環境と境遇に還元する作業が必要になります。 そうした観点から自らの人生観(色眼鏡)は、人(自分)・時(時代)・所(境遇)が限定された人生観であると認識しなければならないのです。 ですから調和の徳性における『感性』の徳目においては、一段ステージを上げた徳性として魂を磨くことになります。 自らの個性を薄めれば薄めるほど他者の本質(実相)が確認され、その視点を原点として相手の人格を見回したときに正確な人間像を把握することが出来るのです。 そこに本当の感性が開花して、真実の世界観が正しく広がるのであります。 ここで一つ注意が必要なことは、『感性』の徳目を磨くために個性を薄める自己研鑽をするわけですが、これは個性を無くすという意味ではありません。 個性の強弱を自らの意志で使い分けるということです。 この自己研鑽が必要な理由は、感性の徳目の上段階に控える『観』の徳目に繋げるための基礎精神になるからであります。 詳しくは観の徳目にて語られますが、観念自在力というものは神の世界に通ずる神力であります。 ここにおいて心の中に自我の濃さが残ったままでは、通じる世界が天地ほど違ってくるため、感応する霊世界の中には危険な領域も多いのです。 新興宗教の9割が怪しげな低級霊世界に繋がっている背景には、トップに立っている教祖の徳性段階における『感性』の徳目が、いまだ開かれていない事実を物語っております。 こうしたことから考えても『感性』の徳目を地道に磨く努力は怠ってはなりません。 これが魂の転落を防ぐための重要な徳育なのです。
さて『感性』の徳目を磨くために必要な具体的努力ですが…。 まず第一として『をつとめ』の徳目を基礎訓練として日夜務めること。 次に第二として過去を振り向き反省回顧すること。 更に第三として全ての人と物事と和解して心の底から感謝すること。 こうした心掛けを続けることによって徐々に心は浄化され、その魂の奥底から光明が差してくることを感じるようになります。 それでいて日々の仕事や諸生活を怠らず、巧みにスイッチを切り替える訓練を地道に試みて下さい。 そうした自己研鑽が魂の傾向性まで高まった時を見計らって、本人の守護霊が要所々々で的確な導きをされるでしょう。 調和の徳性(とくに感性の徳目)は、もう一人の自分(自身の守護霊)との出逢い(気付き)を果たし、守護霊との共同作業で周囲との正しい調和を実現してゆくことが本来の目的でもあります。 そしてその成果は、やがて自分でも驚くほどの展開を見せるでしょう。 つねに調和を目指す覚者が一人でもいれば、その環境(企業や社会)には争い事が影を潜め、永続的な平和が訪れます。 発奮癖がある者も徐々に凪いだ湖面のごとく治まり、数々の問題は氷解の如く解決してゆきます。 徳高き人の水面下の働き(自己研鑽)が、自然に環境浄化にも影響するのです。 人為的な打算や計略などで、つまらない人間模様が毒されないように気を付けなければなりません。 徳性求道者が『感性』の徳目を磨く過程には、身に付けるアイテムは何も必要ありません。 つねに魂の素地で勝負して下さい。 何らかの形態に頼ろうとする気持ちが、心の隙間に一抹の恐怖心を巣食わせる原因になっています。 仮に何かに頼らざる負えないときは、真心でもって天地を貫く大神に頼るべきです。 大神の大御心に生かされている自分を深く感じて、一抹の恐怖心を心の暗部より放逐して下さい。 |