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21 調和の原点 |
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日本には古来より『むすび』という言霊が存在します。 しかしながら『むすび』という言葉の意味(真意)は正確には伝えられておりません。 それは20世紀後半に愛という言葉が俗っぽく扱われたのと等しく、『むすび』という言葉も真意を失ったまま表面的な解釈に留まっています。 この『むすび』という言霊は、その根源としての出所が天照大御神になります。 神代の時代、祭政一致の下に大和国の統治が始まりましたが、他民族の統合の折には様々な政争が起こされたのです。 乱立する主義主張は相まみえぬ様相を呈して、幾度となく戦乱が起きたのです。 その国情を憂いた神々は、高貴な徳性を有した女性を擁立して、大和の国を大調和の神国とせんがために天照大御神を日本の中心に据えたのであります。 争いのない世界を求め、むしろ力あるものが国主を守る体制を敷いたのです。 これが日本における天皇制の原点といっても過言ではありません。 日本における建国の理想は、未来永劫つづけられる『むすび』であったのです。 この『むすび』に込められた真意は、日本創成期における根本理念を体現する側(つまり運営者側)の立場に立って始めて解かる境地です。 日本を単なる他民族の拠り所とせず、総ての人間は同じ尊い命であり一つの家族であるとして、日本の神々は国ではなく国家として運営してきた背景があります。 こうしたことから大和国(日本国家)の原点は天照大御神であるということです。 そうして天照大御神を源流として大和の国を連綿と継承してきた天皇家は、日本の本家に当たります。
国体として最高の在り方は祭政一致かもしれません。 しかしこの祭政一致を実現するためには多くの課題を乗り越える必要があり、人類の文化的素養が霊的基盤における五次元意識にまで底上げされなければ叶わないでしょう。 そのために21世紀を迎えた人類が(とくに日本の国民が…)直面している大きな課題が調和という根本理念の追求なのです。 調和は『むすび』を現出させるための調整の原理です。 個別の能力を尊び合い、その突出した才能を人類の発展のために自発的に提供するところに、調和の進化した大調和(繁栄)が訪れます。 バラバラの意識が仮に結合したものが調和ではなくて、各々の意識(こころ)を根本理念に超入させることで、正しい中心帰一は真なる繁栄をもたらすでしょう。 この中心こそ天照大御神の祈願でもある『むすび』であり、その根本理法としての調和であります。 何時の世も例外になく、中心を見失った時代は戦乱が起こりました。 覇権を主張するトップが乱立し、それを擁立して争う世界は、何時まで続くのでしょうか。 もはや中心帰一を欠いた民衆政治も行き詰まりを向かえているのです。 |