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22 個性と役割 |
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他民族統合国家としての日本が、常に苦慮しながら構築してきたものが、調和の骨格としての秩序の創出です。 神代の時代においては数多の神々(高級神霊)が地上(同地域)に生まれ合わせたために、その事実がそのまま徳性における秩序となって、自然に調和なる姿へ移行しました。 しかし時代が下るに従って、自我の強い統治者が乱立するごとに、調和としての秩序は崩壊の一途を辿ったのであります。 その負の流れを変えんとして地上に降り立った高級神霊が聖徳太子であったのです。 太子は数々の功績を残して、その後の日本の屋台骨を築きました。 冠位十二階によって時間軸(縦の真理)の徳性段階を示し、十七条憲法によって空間軸(横の真理)での心の教えを残されたのでした。 こうして大和の国(日本)の精神的秩序を通して、神々の意図である調和国家の構築を急いだのです。 なぜ冠位十二階を示したのかといいますと、公のために行使した個々の努力精進を公平な観点で評価するという意図があります。 冠位に色がついているわけですが、それぞれの色に濃淡の序列がついています。 これはその位階の徳性を現した段階(入口に立った境地…淡)と、その位階に達した段階(魂の傾向性にまで高めた境地…濃)とを明確にした色分けです。 しかし当時の時代背景からしても、この個々の徳性段階を太子が識別できても、それを国民が素直に受け入れるだけの精神文化の興隆が無かったのです。 そのため自我の強い権力者(武力者)には、それなりの配慮が必要でありました。 本来の徳性段階というものは魂の進化(精神の高揚)を評価するものです。 その徳性段階を得た事実を事後評価されるわけで、冠位を得れば権限だけが得られるものではないのです。 個人の能力が何処まで高まろうとも、その才能を私益するだけでは、冠位における徳性は無に等しいのであります。 その個人の高い才能を、公の為に自発的に提供するところに、徳性段階としての正しい評価をされるのです。 つまり何の為の魂の高まりかを明確にしなければ、冠位は正しく機能しないということであります。 公に貢献する為に自らの個性を提供するならば、そうした人の個性は高まれば高まるほど神々も喜ばれます。 公の為に生きる徳者は、自らの役割を知っている…。 多くの人々が自分の個性を公の発展の為に更に磨き、高め得た能力を世のため人のために自発的に提供することで、何者にも揺らぐことのない繁栄を迎えるでしょう。 公の中で自らの役割を見い出した者たちが、たった一つの大いなる理想の元に命を結集した姿(正しい調和)が進化したものが真なる繁栄(大調和)なのであります。 |