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39 後光 |
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ひとひら舞い落ちる雪も、無数に降り積もることによって、短時間で地上の全てを白銀に変えてしまいます。 そこには高度に発展した科学の街でも及ばぬ権威が現れている…。 宇宙時代に差し掛かろうとしている人類さえも、まるで幼子のように牛耳る自然界の猛威の前には、鬼神さえ道を譲ることがあるのです。 金剛力が発揮される場面では、神風が吹き大地は揺らぎ、山々は気を吐き、高波は押し寄せ、何ものの規制をも許さぬ勢いで全てを一掃します。 こうした大浄化の神力も『津』の徳目の権化であります。 個性がありながら限りなく存在が薄れてゆく姿…。 それでいて神の想いが満ち溢れている大背景…。 その形態は大仏が大きな後光を背負っている姿にも映ります。 あの後光は人間心を超越した仏が、神仏とともに無心に生きる姿そのものです。 一抹の自我も存在しないからこそ、実相の大地から真理の光が射してくるのであります。 |