58 高徳者の悟り

 

一人の人間が深めえた想いの深さは、その想いと同じ深さを体現した人でしか解からない世界であります。

どのように言葉で説明しても、結局は三次元世界にしか通用しない活字にほかなりません。

どれほど精妙な例え話を用いて相手に伝えても、その言葉に込められた真意は正確には伝わらないものであります。

しかし深い悟りを得られた高徳者からは、未だ浅い悟りの渦中にいる人の精神段階が手に取るように理解できます。

しかしその逆である浅い悟りの渦中にいる者が深い悟りの高徳者の有する精神段階は残念ながら理解できないものなのです。

それなのに浅い悟りの者は、自らの浅はかな悟りの現状に気が付かず、高徳者の深い悟りの一部分しか見えない狭眼で、しばしば高徳者を裁くのであります。

そういった安直な性格こそが、本人の悟りの浅はかさでもあるのです。

真なる高徳者は、その高い徳性ゆえに外面からは気付かれにくいのかもしれません。

 

 

 

18 徳性開発 【融和】