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91 特殊相対性 |
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さて『由』の徳目ですが、具体的な徳目努力が何に当たるかといいますと、公的人間としての使命役割を深めるということであります。 そこに私(自我)が残されている分量だけ、他者との摩擦が現われてくるでしょうが、そうした対人関係が円滑になるに従って、心は限りなく解放されるのです。 もともと徳性開発は、脇役型人生観を確立する道であります。 それも単なる脇役ではなく名脇役です。 このことを孔子は君子への道として説き、人間完成への段階を、天と仁の教えとして残して下さいました。 自我を限りなく薄めてゆく魂修行は、自己内照(反省回顧)なくしてはありえません。 総ての基準が自分である間は、悲しいかな当の本人が未だ自分自身さえ見えていない証拠でもあるのです。 人間関係は自分も相手も変化しながら関わってゆくものです。 こうした特殊相対性が人間社会にも存在しているのであります。 |