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08 解説【智慧】 |
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大地に種が植えられ、やがて芽を出し葉を茂らせ花を咲かせる…。 草花が生長繁茂するのは、そこに自ら生きるという智恵があり、さらに神が育てるという智慧が働くからです。 複数の智恵(智慧)が集まって融合し、愛の下に自己展開しながら、さまざまな使命を果たす…。 こうして個々の命が大生命に帰属しながら、全なる一部として大循環に貢献することで、神の子(光の子)としての自覚を深めてゆくのです。 自然界には智慧が満ちています。 それは空隙の余地がない程に充ち満ちています。 地上の生物が常に大気に包まれているように…。 海中の生物が常に水気に包まれているように…。 智慧も総ての生命を常に包み込んで、生かし育みながら守り導いているのです。 こうした智慧の波長に地上の人間の心の波長を合わせて、小さな個性を全なる意識の一部として無条件提供することで、個が全となり全が個となる神秘も現れてくる…。 モーゼが紅海にて現した奇跡は、宇宙の叡智に波長を合わせたモーゼの下に起こされた奇跡でした。 これは誰にでも出来るものではなく、常に自己内照して我を無くし、大いなる神の導きに感謝を捧げ、人々の困苦を愁いて立ち上がり、大神の叡智の中に素直に心を融け込ませて、自身の生命を無条件提供されたモーゼだからこそ現した奇跡なのです。 徳を高めて智慧を得るということは、打算や計略などとは無縁でなければならない…。 なぜなら地上界の人間社会を取り巻いている知恵(智恵)には、さまざまな種類と質の高下があるからです。 大神の慈愛によりて降り注がれる光明は【叡智】であり、総ての生命を守り導き、最善最美深奥へと誘い、尽きない幸福と果てしない生長を、無尽蔵なる(光明)生命力で供給してまいります。 その叡智を高徳者(預言者)が受け止めて、大衆に放たれた言葉は【智慧】であり、時代を根底から底上げして、人類を開かれた未来へと導く道標となります。 その智慧を用いて諸相(人・時・処)に応じた内容に変換したものは【智恵】であり、同時代の人々が正しい生き方を共有するために、多くの智恵が散りばめられる必要があります。 これらに対して個人的な見解は【知恵】であり、個性化が進んだ時代に於いては常に地上界で主流を成してきた知恵ではありますが、ここに独我が蔓延ると他者批判や非難中傷を繰り返して、自身を省みる余地まで失くしたなら我執(自己中心)の瘡蓋で心を固めることになります。 この知恵を形成しているものが【知識】であり、料理に例えれば食材に当たります。 知識は過去の産物であることを忘れてはなりません。 時代背景に左右されて残された尊い遺産(人生の糧)ではありますが、当時の時代背景の影響下であればこそ通用した知恵が、文化の礎(知識)として残されているのです。 その文化的遺産を現代の時代精神に適合した内容へと返還させて、さらに未来の人々へ参考資料として残してあげることで、それらの智恵は後世に対する文化の継承としての遺産(知識)になるのです。 地上界の智恵を故意に歪めさせんとする悪思念が存在します。 彼ら(悪思念)は人間の思考回路に入り込んで、閉鎖的な思考しか出来ないようにしてきます。 その方策は難しいものではなく、人の心の欲得を突いてくるだけです。 欲得には色々なものがありますが、とくに個人的に弱い部分を突いてきます。 だからこそ知性の高まりを目指す者ほど常に初心を忘れず、地道に人徳を磨く必要があるのです。 民衆に対して影響力がある者は、なおさら自己限定の殻を打ち破って、真実の智慧を得られる心境(徳性)を磨き続けるべきでしょう。 智慧の徳目は、こうした地位(高徳)にあることを自覚しなければなりません。 |