10 解説【忍耐】

 

例えば無人島に於いて一人で生きているとしたなら、そこにどのような耐え忍びがあるであろうか。

命を繋ぐということであれば、食材の調達や雨風を凌ぐ期間や、外敵から身を守る苦心に対して、それなりの耐え忍びがあるであろうけれども…。

現実問題として人間は一人で地上世界に生まれ出ることさえ出来ないのです。

そこには父母という縁ある人々との関わりがあったのです。

ようするに創造主は人を単体の人とはせず、人と人との間から生まれ出るように創造されたということです。

だから人ではなく人間と言われているのであります。

耐え忍びの精神は、他者との関わりに於いて試される徳目です。

そこには個性の違いによる意見の相違があったり、感性の違いによる受け止め方の相違があったり、経験領域の違いによる知識差があったり、さまざまな人間関係の軋轢が存在します。

幼い子供の頃は何かに付けて自分の願望が叶えられたであろうが、大人へと成長するに従って、徐々にワガママも許されなくなるわけですが、その理由は年を重ねるごとに関わりを持つ人が増えるということと、社会人としての責任も増すからです。

そうした人間社会で他者への配慮(相手の気持ちを慮る)を心掛けることが、大人としての最低限の条件でなければならない…。

現代人は、人間社会に於ける最低限の条件を放棄している人々も多く、人間としての自由意思を履き違えたまま、自分勝手な主張を振り撒いています。

公の場であっても我欲の追求を恥ずかしいものと思えない人々は、冷静な心の瞳で自己内照することもせず、ましてや自己反省など無縁な状態になっています。

これは公務員を始めとして民間の役職者の中にも多く存在し、あろうことか政治家や宗教家、さらには情報機関であるメディアの運営者の中にも居座っています。

現代のメディアはヤマタノオロチに支配されている…。

これが現実の日本であり、争いの絶えない世界の状況なのです。

こうした時代背景の中で良好な人間関係を構築してゆくためには、要所に於いて矯めの効く人格者が必要になります。

本来は常に中軸にいるリーダーこそ高い徳性を有しているべきですが、本末転倒した社会情勢の中で、徳性を磨くことは自殺行為に近いかもしれません。

自分の心でありながら感情のコントロールさえ出来ない人間は、常にヤマタノオロチの餌食の対象になっています。

だからこそ強い使命感が無ければ忍び難いでしょう。

耐え忍びの精神も徳性の一つであるからには、魂の傾向性を築くための日々の習慣が命綱になります。

地道な積み重ねによる精神面の足場固めが、やがて何物にも揺るがない不動心となり、不退転の人格者へと育ててくれるはずです。

忍耐の徳目には強い使命感が必要だということですが、そこには正しい信仰心がなければならない…。

この正しい信仰心とは魂の原点回帰です。

大神は誰よりも深い忍耐の方であり、可愛い神の子たちが時には間違った道を歩んだとしても、いつか必ず本人の意志で間違いに気付き、本人の主体性で正しい道を歩むだろうと、深い大御心で神の子の動向を見守っておられるのです。

そうした大神の大御心に深く感謝して、少しずつでも御恩返しが出来るよう、日々努力を惜しまない貴方であって下さい。

神々は常に見守っています。

そして総てを把握されています。

あなたの一挙手一投足が何一つ無駄ではないことを、大神は太古の時代から知っておられるのであります。

 

 

 

19 徳性開発 【積極】