16  解説【情熱】

 

永らく降り続いた雨が上がり、大空に青さが戻ってくると、何処までも深まる大気の中に融け込んでゆけるような気持ちにもなります。

青い空には真実がある…。

何物にも毒されない清らかな想いには、魂を打ち震わすような不思議な旋律さえ感じさせられます。

このような想いを持ち続けられるなら、おそらく不可能な選択肢は無くなるでしょう。

最後まで諦めない意志を貫くならば、かのナポレオンが残された言葉のように、不可能という文字さえ必要が無くなるのです…。

不退転の精神とは、かくなる生き方を貫く意志であります。

しかしそこには明確な目標点(夢)があり、そのゴール(夢)に向かって突き進むからこそ、あらゆる障害にもブレることのない強き意志が湧いてくるのです。

大海原の中を航海する船のように、常に羅針盤を確認することも重要です。

長旅になればなるほど、現在只今の自分の位置(立ち位置)を掴み、何処に向かうべきなのかを時折り確認しなければならないのです。

人間は完璧ではないし、ましてや地上界は迷妄(疑心暗鬼)の狭霧に覆われている…。

いつしか方途を失ったまま、勢いだけで突き進むことの危険性は、冷静になって考えてみれば誰にでも理解出来ると想います。

それでもこの冷静さを取り戻せない人が多いのも事実ではないでしょうか。

自分の心でありながら自らの意志で感情をコントロール出来ない人は、未だ大人になりきれていない子供のまま、ワガママを押し通して周囲に迷惑を掛けているのです。

しかも自分の心を振り返る習慣が無いなら、精神が子供のまま大人社会に居ることすら気が付かないのです。

自己反省のない情熱は最も危険である…。

それを常に戒めることも忘れてはならないのです。

情熱の徳目は人格形成に於いても重要度が高く、【積極】の徳性に於いても中核を担う徳目であります。

そのため徳性段階で、この情熱の徳育を誤ると、深い闇黒(底なし沼)に落ち込む危険性も同居しています。

その実例は歴史上に数多く残され、闇黒に堕した本人のみに治まらず、多くの民衆を道ずれにした罪は、容易に赦されることはないでしょう。

ゆえに積極の徳性段階に於ける情熱の徳目では、なおさら謙虚に取り組む必要があるのです。

歴史上の偉人たちの功績を形だけ模倣するのではなく、偉人たちの魂から溢れ出ていた正しい精神をこそ見い出して、現状の時代背景(時代の要請)に当て嵌まる内容に置き換えた上で、大目標に向かって日々眈々と歩みを続ける貴方であることを祈念いたします。

貴方の情熱が真実を貫いたものであるなら、貴方の守護霊は喜んで手助けしてくれます。

さらに貴方の情熱に愛の想いが深まるならば、数多の神々も協力を惜しまないでしょう。

実相の神々は、より多くの人々の心の救済に生きる高徳者をこそ、見守り導いておられるのであります。

熱き魂を貫いて使命役割に生きる人には、多くの功績が現れてきます。

心が清らかであれば驚く程の奇跡も起きてきます。

しかしそれらの功績を私してしまわず、功績の総ては神々の恩恵であると認めて、そのキッカケの一つに成り得た事実にこそ深い感謝を捧げるべきなのです。

常に見守られ導かれていることに無条件で感謝出来る貴方であれ…。

何処までも情熱を履き違えることなく、形だけ模倣する蛮勇でもなく、小さくても一歩づつ着実に歩みを進める気持ちを忘れないことです。

静かなる情熱で、静かなる勇気を抱き、目先の評価に翻弄されず、大志の実現をこそ目指す高徳者の道を、逞しい足取りで生きる貴方であることを信じています。

 

 

 

19 徳性開発 【積極】