07 慈愛

 

見失った仁徳を取り戻すために必要な二つ目の徳目は『慈愛』です。

これは慈しみの心であり他者への愛であります。

仁徳は人間社会に於いて育まれるもので、個人的な筋力や腕力を鍛えるようなマントレーニングとは訳が違い、常に相手を想定した思考想念、時期を想定した対話行動、場所を想定した他者配慮など、人間社会の中で臨機応変な対応を心掛け、柔軟な精神を育むことこそ『慈愛』の徳目の真骨頂なのです。

自分の主張ばかりを押し通そうと躍起になる人には、会話の内容に相手の気持ちが欠けることが多くなります。

利便性や機能性は生活を豊かにしてくれますが、そこに他者への配慮が無い場合は思考回路の中に生身の人間が見当たらない状況に陥る場合があります。

かつて利益追従を柱にした多くの企業がバブル崩壊を早めたように、人の心を無視した人間構築は冷たい個別主義(利権や願望)を煽るだけであると気付くべきであります。

同じ生身の人間として他者の境遇を配慮する想いやりが必要です。

巧みな言葉で事を進める人間の本性を見破ることは難しくなく、本人の言動の中に生身の人間が居るか居ないかを篩に掛ければ判別します。

会話の中に損得勘定が多くなったり、地位名誉を煽りながら対話交渉を成立させんとする人には、真人間としての心が見当たらない…。

表面的な心配や技巧的な誘導は、よくよく話の内容を読み取れば相手の為ではなく本人の利得の為の言動であったりします。

世間を混乱させる詐欺集団の手口は、まさに利得の為の餌巻きとして相手の損得勘定を煽り、地位名誉を煽る技巧を扱うので注意が必要です。

真なる徳者は相手の心境を想うがゆえに、相手の境遇に合わせた教導が出来るのです…。

心の変転には時間が必要だと知っているため、相手が心を開くまで気長に待つことが出来るはずです。

他者への配慮は時期と場所を考慮しなければならない…。

時間を焦らせる対応は詐欺集団の常套手段なので気を付けて下さい。

『慈愛』の徳目には他者への配慮が必要不可欠であり、この部分が無ければ慈悲や慈愛の本来の意味が理解出来ないでありましょう。

相手の本当の気持ちを察するには、それなりの努力と忍耐を要します。

30分や一時間でカウンセリングは終了しない…。

優秀なカウンセラーは相手の人生観を探り、魂の傾向性を読み取ることから始めるのです。

その後に初めて本題に入るのであります。

人を人として受け入れられるか受け入れられないかは人徳を語る上で重要な要素になります。

仁徳は器(うつわ)であり、人間としての大きさは器の容量(責任感)でも推し量れます。

『慈愛』の徳目を育みながら、見失われた仁徳を徐々に取り戻して致だきたい…。

他者への配慮は人間関係の要だと熟知されますように。

 

 

 

20 十大理念 【仁徳】 【新生】