10 穏和

 

最後に見失った仁徳を取り戻すために必要な五つ目の徳目は『穏和』であります。

この『穏和』こそ高徳者の証であると言えるかも知れません。

自分の感情をコントロール出来ない者が徳性を高められるはずは無く、周囲の人々の感情を和らげられない者が高徳者であるはずは無いのです。

どのような場面に遭遇しても落ち着いた対応が出来る人は、荒波に対峙しても動ずること無く社会の波風を調整してゆくでしょう。

『穏和』とは明鏡止水の境地であり、『穏和』の徳目を磨いている高徳者の周囲では、自然に波風が凪いでゆくのです。

それは誰もが予想すら出来ない方法(展開)で諸問題が解決して行く…。

その方法は正しく普段からの地道な努力(徳力)の結晶であります。

物理的に考えてみても荒ぶる波風が凪いでゆくためには、追加で負荷(諸問題)を起こさないことが必要であります。

何ら動ずることが無いなら波風(諸問題)は自然に治まる訳ですが、その理由は万有引力(大神)の成せる御技によるのです。

自然界に自己展開する全ての事象は、宇宙の大法則に従って流転しています。

人間も自然(生命体)の一部であるからこそ、この大神(万有引力)に意識を超入して、感情も想念も心魂も全託するべきであります。

しかもあれこれと理屈を並べることなく無条件降伏しなければならない。

個人的な小さな了見を捨て去って、大いなる神に総てを委ねる心境が大切であります。

利権利得に振り回された利己心は常に波風を立てる原因である。

自分が…自分が…と自分に我(が)を付ける者は自ら波風(諸問題)を起こすトラブルメーカーに成りがちです。

目先の欲得に目が眩んで一時の利得を獲得したとしても、大局が見えなければ意味の無い迷いで終わってしまいます。

徳性開発に臨む者は心して大神(大自然)に融け込んで致だきたい。

そこに個と全との融和が果たされ、大いなる霊的磁場が顕現するのです。

かくして『穏和』の徳目は歴史上に大人物を育てるのであります。

貴方が感情に苛まれるなら優雅に佇む海を見よ。

そこには安らかな優しさがある…。

貴方が性格の弱さに悩むなら荘厳なる山を見よ。

そこには揺るがぬ強さがある…。

貴方が諸問題に悩むなら青さを称えた空を見よ。

そこには爽やかな素直さがある…。

貴方が生き甲斐を求めるならサンサンと照り輝く太陽を見よ。

そこには煌めく未来がある…。

貴方が人生に躓くなら遥かなる宇宙を見よ。

そこには果てしない夢がある…。

これらの自然界は貴方を支える大地(地球)が起点となっています。

万有引力を常に味方(我が心)として、大いなる精神を育む貴方であれ!

仁徳を取り戻すための最後の徳目段階として『穏和』の徳目について語りました。

 

 

 

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