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22 謙虚 |
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新生の徳性を体現する為の四つ目の要素は『謙虚』です。 これは万民に必要な要素であり、運命打開の特効薬でもあります。 苦難困難の中に居る人たちの応急処置ともなりますし、社会の荒波に飲み込まれそうな人の助け舟ともなります。 しかし本当に『謙虚』の要素が必要な人たちは、順風満帆で突き進む人や、安定期に満足して安住を決め込みがちな人たちです。 人生航路で最も危険なのは慢心です。 慢心は人間の精神を腐らせる五毒(我欲・欺瞞・愚弄・下劣・傲慢)に侵され、暗黒思考の奥底まで引きずり込まれる危険領域なのです。 この事実を知らずに慢心(自惚れ)を放置して、地獄の迷妄魔に魂まで持って行かれた先人も存在します。 彼らの中には本来の人格が高い者も居たわけですが、技量が高い分だけ慢心の五毒に於ける中毒度合いが深刻でした。 よって深い地獄の奥底で重苦しい足枷を付けたまま、永い長い時の流れを過ごしています。 慢心の芽が出始めたなら早い段階で摘み取っておかなければなりません。 どんなに優秀な人徳者であっても、慢心の毒酒を甘くみてはならないのです。 人格が高い者ほど毒酒(五毒)は効きやすく回りやすい…。 それだけ慢心に於いては敏感なほど注意が必要であります。 この慢心の魔の手を回避し振り払う精神が『謙虚』なのです。 徳性が高まれば高まるほど尚更に謙虚さを深めなければなりません。 その為にも逆風期以上に順風期にこそ努めて反省回顧を重ねるべきなのです。 新生の徳性を磨く者は、普段の地道な努力を怠らなければ、遙かに高く遠くまで道(徳性)に精通するようになるでしょう。 大きな成果ばかりを追い求める狩人になってしまうと、自尊心や自己保存浴ばかりが強まって、いつしか欲得願望の権化に成り下がる危険も腹んでいます。 小さな成果を地道に積み重ねる心掛けが大切であります。 古来より徳積みには陰徳と陽徳があります。 陰徳とは人知れず善行愛行を施し、天の蔵に徳積みすることで人徳を高めて魂の真なる幸せを得るのであります。 その一部始終は神が見守っておられるので、安心して陰徳を積み重ねることになります。 陽徳は公の場に於いて、人々に知られる徳積みです。 したがって多くの称賛や感謝を受け取る場面も多くなり、後世の手本ともなるので貴重な徳積みでもあります。 しかし陽徳にばかり拘ると、日々の地道な努力が疎かになりがちで、褒められなければ善行愛行が続けられない性格になりかねません。 人間にとって馴れの妙味は善にも悪にも通用するので注意も必要です。 つまり陰徳は『謙虚』でなければ積み重ねられないが、陽徳は『謙虚』でなくても積めるものなのです。 新生の五大要素の一つである『謙虚』が磨かれているかどうかは、普段の人知れぬ努力を積み重ねているかどうかで、自分なりにチェック出来るということです。 |