24 歩調

 

信念の理念(徳性)を取り戻すために、最後に心掛ける取り組みは『歩調』の徳目です。

信念が強過ぎると猪突猛進して足下が浮き足立つことも多いでしょう。

目的目標がハッキリしているなら日々の一挙手一投足は確かな投石であるべきなのです。

その実現が近付けば近づく程、足元を確かめながら冷静で沈着な歩みが望まれます。

真に精神力の強き者は世間の荒い波風に右往左往せず、遠くまで見渡した慧眼を元に目先の一手に精神を込められるのであります。

その確かさは天命(使命観)の強さであり、神の子の自覚の深さでもあります。

時代の要請を観じて自らの天命を観じるなら、もはや目先の評価損得に迷ってはならない…。

何時の世も高邁な理想を崩壊させた原因は、人間心に潜む自我尊厳(評価損得)でありました。

この自我尊厳が五毒(我欲・欺瞞・愚弄・下劣・傲慢)に繋がり、精神を腐らせ、高邁な理想を失なわしめた主原因であります。

高い理念を抱く人ほど謙虚さを忘れてはならないのです。

一歩ずつ歩むことが物足りないと感ずるなら、ますます足下を固める努力を行なうべきでしょう。

人徳を磨く手段方法は無数にあり、この徳性開発(新創世記)には随所に犇いています。

精神力を磨く術も無数にあり、余暇を見つけて取り組むこともできるはずです。

ここまで徳性開発を読み進めてきた人であれば、それなりの心構えが出来ているはずで、人目を気にする評価損得を廃して水面下での努力精進を積み重ねているはずです。

その小さな一歩の大切さを知り、踏みしめる重要さを確かめながら地道に足跡を残すでしょう。

時には周囲の心無い言葉に傷付きながらも、人間としての大切な精神(夢や愛)を失わず、すぐさま脚下照顧して次なる一歩を踏み出せる貴方であるように…。

さらなる一歩を重ねられる貴方であるように…。

たとえ大きな障壁に道を閉ざされても新たな流路を歩み出せる貴方であるように…。

初志貫徹の精神は行先(初志)を忘れず、その目的地までの距離を縮める工夫を凝らすとき、さらに強靭な精神力を身に付けることになる。

それを不退転の境地と言います。

あえて退く必要はなく、歩む道を変えれば良いのです。

目的実現の為には最短ルートを予定することは人間としての智恵でありますが、目先のトラブル回避も解決力としての大切な智恵であります。

ここに新たな経験値が加わり、人間としての徳性も磨かれるのです。

それを想えば人生は総て徳性開発の宝庫になり、一つ一つの問題提起は徳力を高める貴重なチャンスになります。

信念の理念を見失うことがあるなら、ここまで語られた『休息』『境遇』『歩調』の徳目を想い出して、また地道に歩み始めれば良いのです。

もともと信念は肉眼で見えるような形態ではないし、自己アピールの道具でもなく、心の内部に灯された理想の炎が雰囲気となって周囲に漏れ出る漏神通力の一つなのであります。

 

 

 

23 十大理念 【探究】 【信念】