03 類推

 

秩序の理念を体現するための五大要素の三つ目は『類推』です。

これは人間関係に於いて、お互いの心を理解しながら相互に配慮しあうための重要な要素であります。

人間社会で巻き起こってくる問題は、自分勝手な主義主張を強引に推し進めようとする際に、それぞれの意図や心境(気持ち)を考慮しないで争うところに発生しています。

人間関係での紛争の多くは自己中心による自我と自我の相剋です。

相手の立場や気持ちを考えない者は、やがて周囲からも冷遇される運命にある…。

そのような運命に嵌まり込んだ要因は周囲にあるかもしれませんが、その主原因に当たる的をぶら下げて歩いている者は、運命を嘆いている自分自身であります。

総ての現象は自分から出て、やがて時を経て自分に帰ってくるのです。

これが心の法則であります。

このような心の法則性を知らない人(知ろうとしない人)が、地上世界には多く存在します。

そのため場当たり的な対処法が多く発案されて、その後天的対処法だけがビジネスとして横行しています。

こうしたリカバリー能力も磨く必要はありますが、最も磨くべき対処法は根本原因の把握と克服です。

主原因を克服しなければ目先の対処は一時凌ぎに過ぎず、何度でも同じような境遇に行く手を阻まれるのです。

さらに主原因を放置したまま生きていると、何時しか主原因そのものにイニシアチブを取られてしまい、自分の人生でありながら運命の舵取りが出来ない単なる傍観者(操り人形)となり、ここでも自我に囚われると他者批判の巣窟にされてしまいます。

かつて聖徳太子が十七条憲法を制定されましたが、その第一条に『和をもって尊し…』と掲げられている意味を、現代の日本人は深く噛み締めて解するべきなのです。

また古来の日本神道では『言挙げせず…』と云われましたが、これは単純に言葉を発するなという意味ではなく、心の表層に浮かぶ様々な思考を整理しないまま自分勝手な解釈で多言をする愚行を戒めるための精神指針でありました。

ジックリと考察して相互理解に進めるなら躊躇せず言葉を投げかけるべきであります。

あまりにも現代人は進化した科学に依存しすぎて、自らの意志で想いを深める努力を怠ってきたのです。

コンピューターは迅速に回答を弾き出してくれますが、生身の人間の心から滲み出してくる繊細な愛情までは真似が出来ないのです。

コンピューターの作業性は全て過去のデータで賄われておりますが、生身の人間は膨大な精神世界を背景にした未来を自由に創造する能力があります。

こうした真なる創造性を用いれば、心の法則をもって自らの運命を変革することぐらいは容易いことなのです。

秩序の理念を体現するための五大要素の三つ目である『類推』は、心の法則を駆使して相互理解を深めるために必要不可欠な一要素であります。

 

 

 

24 十大理念 【秩序】 【感謝】