06 善識

 

秩序というものが社会から見放されたなら、人間関係には冷たい風が吹き荒れて、個人的な利権を守るための論争や、自我を満足させるための略奪紛争が絶えない社会に変貌してしまいます。

行き着く先は廃墟であり、多数の人間が存在しながら心ある人間が存在しない廃墟の街…。

神の子として創造された人間が、神に最も近き存在から野性化(野に下る)することになるわけで、エデンの楽園から追放されたアダムとイブは、ますます個性化の道を下ることになるのです。

自我の享楽に溺れた帝国は滅び、放れ離れになった人心は廃墟の街で淋しい余生を繋ぐのでしょうか…。

こうした情況を回避して再び社会秩序を取り戻すためには、人間が創造された原点に立ち帰る心的作業が必要になります。

まず最初に取り組む徳目は『善識』であり、外見や現状が如何なるものであっても、相手の神性(生命の実相…本来の姿)を信じて礼拝する心掛けが大切です。

罪を憎んで人を憎まず…。

罪の大半は社会生活の中で互いに影響し合うことで、小さな内部葛藤が積もり積み重なって暴発した罪が多く、外見でしか判断出来ない個人主義社会にあっては、具体的な最終罪過者のみを裁く悪習が定説になりつつあります。

しかし隠れた黒幕(罪作りの根本原因)は何食わぬ顔つきで善良者を装い、大罪に陥れた正直者(罪の系譜の末端者)を無碍に裁いている実態は残念ながら精神異常者の極地であります。

犯罪者の罪過は正さなければならないが、同時に罪の根本原因をこそ根こそぎ摘み取る必要があるのです。

複数の人間が互いに押し付け合い追い詰め合った原因を見い出して、心の底から和解するべきであります。

最初から他者を悪人に決め付けたなら隣人同士の協調は難しく、小さな善意は見落とされ大きな善意すら偽善と疑われ、更に小さな失態も其のまま悪意として受け取ってしまいます。

これは判断する側の心的世界にこそ悪意(懐疑心・暗黒思想)が蔓延っている証拠で、こうしたことは高徳者が観れば一目瞭然なのです。

何事に当たる場面でも先ずは相手の神性を心の中でも良いので礼拝する気持ちを忘れないで致だきたい…。

これこそ貴方が存在する社会に本当の秩序を現出させるための第一の徳目になるでしょう。

どの様な人であれ本来は神の子であり、互いの神性を認めた上で、神性を隠蔽した罪に対処(取り組む)する貴方であれ…。

素直な人であるがゆえに時を経て悪人に仕立てられた罪人も多く居ます。

もちろん本人の意志の弱さにも要因はありますが、自我の強い自己中心者の強要脅迫強引にこそ罪作りの大罪はあると言うことです。

どうか善なる根本精神を忘れず、互いの神性を礼拝する心掛けを貫いて『善識』の徳目を磨いて下さい。

 

 

 

24 十大理念 【秩序】 【感謝】