043 人類最大の奇跡

 

 

古来から語り伝えられた神話伝承は、地域性の違いや個性的な境遇の違いによって、意味内容にも差異が現れてくる。

この差異は民族間に大きな隔たりを生み出し、それぞれ特有の文化を生み出した。

その異なった文化を統合するためには共通の言語が必要になるだろう。

人類にとって最大最高の発明は文字である。

たった一人の人間が生涯を終えるまでに必要な縛りは何も無いが、そこに複数の人間が共存共栄する為には、共通意識を育むための何らかの言葉が必要であり、その共通認識を後世に残すための文字が必要になる。

文字の発明は人類にとって最大の奇跡であり、精神面向上の友であり、人と人との心と心を結ぶ絆でもある。

例えば地上世界に文字が存在しなかったなら、人類の発展繁栄は有り得たであろうか…。

自分流で生きる人が共存共栄を果たせるであろうか…。

お互いの気持ちを配慮する意志が少しでも湧くであろうか…。

地上世界に愛が芽生えたであろうか…。

数々の感動が歪められることなく未来の子供たちを育てるだろうか…。

文字の発展は人類現状のレベルを図るセンサーでもある。

つまり文字(言葉)の乱れは人間の本質を低下させていると言うこと。

この事実に気付く必要がある。

文化の程度が民族性の軽さ重さを如実に現している。

また文字の使い分け程度が民族性の品位と徳性に繋がっているのだ。

こうした観点から見ても文字は文化の牽引車的な存在形態であると言い得るのであります。

 

 

 

  29 黎明の風 【文化編】