055 未来は過去の副産物

 

 

過去の記述を疎かにする人が多いが、人間の未来が現在只今の心(想念)によって造られているとするなら、未来に繋がる現在を造り固めたものは過去にあると知るべきであります。

つまり過去を蔑ろにする人間には真っ当な未来は有り得ないと言うことである。

魂の傾向性は間違いなく未来に影響を与え、心の浄化が無いなら過去に抱いた想念の具現化を、そのまま受け入れるしか手立ては無いのである。

国の命運も同じであり、過去の実積(良くも悪くも)が国家の未来を暗示している。

要するに国としての未来を想う(憂う)なら過去を見て精査し、その系統(傾向性)を学び、改変の余地あらば迷わず改めるべきである。

こうしたことから過去のデーターは貴重な財産であると言うことである。

よって自己都合で抹消したり改竄したりするものは、過去の宝物(記録)を盗む盗賊と同じで大罪に価するのだ。

かくのごとく正史の無い国は滅びる運命にある。

しかも自らの過去に主原因が潜んでいるにも関わらず、それを確認する術も無い訳だから深刻であります。

未来は過去の副産物であるから、出来る限り正確な正史を残して遠い未来の人々まで救済して致だきたい…。

こうして見ると文化の使命は貴いのであります。

有りのままを有りのまま残す文士と、それを変幻自在に説明する文士と、魂の段階に合わせた方便として文章を組み立てる文士という、様々な文化の志士が必要になる。

またそれなりに高い悟りを要求されるのであります。

 

 

 

  29 黎明の風 【文化編】