068 カムイ伝承

(羊蹄山)

 

現代まで語り継がれてきたアイヌ神話の代表的なものは、羊蹄山を題材にした創造神話である。

唯一絶対の創造主が現れて天地を造られたというものではなく、複数の存在が現れて天となり地となったと説明している。

アイヌ神話の特徴は熊を神の化身としているが、前述の通り岩に纏わる物語が多いのである。

因みにカムイとはアイヌの言葉で神を意味している。

岩(石)を意志の固まりと霊的把握したのであるなら、アイヌの神話を最初に伝えた者は高い神性の持主であると推測できるのである。

羊蹄山は独立峰として富士山のような美しい山容を見せている。

まさに北海道を代表する山であり、この羊蹄山にアイヌの天地創造神話が残されていることはカムイ伝承としても誇れる部分ではないか…。

世界各国に歴史があり伝統があるが、その原点に当たる神話伝承には必ずと言っていいほど天地創造神話が存在するのであります。

そういう意味合いから推測するとアイヌは個別の民族である。

ただアイヌのカムイ伝承は記述ではなく口伝であることから、神話発生時の純粋な内容が変化していると考えた方が自然であります。

そのため同じ創造神話の内容が口伝継承された地域に従い、微妙な変化を見せることは仕方がない…。

それでも一様に羊蹄山を創造の原初に据えている。

美しい独立峰としての羊蹄山はアイヌ神話にとって原点にあたる場所である。

世界各国に残されている創造神話も同じであるが、神々が創造派生する以前から存在するものがある。

おそらくそれは人智を超えた存在であり、未だ地上の文化文明では解明されていない分野であるが、そうした神々の奥儀を含めて実相世界を表現するしか手立てはない。

地上の文化文明が更なる進化を遂げれば、実相世界の詳細も解明される日がくるでありましょう。

そのためにも人類は早急に霊学を受け入れ、遙かなる高みを学徳としても目指さなければならないであろう。

 

 

 

  29 黎明の風 【文化編】