076 御祖神伝承

(筑波山)2

 

御祖神(みおやがみ)の和歌を現代語に訳すと以下のようになる。

 

命を尊ぶ優しさを失っていない清らかな心の我が御子よ

それとともに神の子として正しく神職に従事せる神聖なる宮居よ

天地が果てしなく開けゆくなかに

とこしえに時の流れが輪廻するなかにて

人々が好んで筑波の山に集い来たり

宴(縁)を開き詩歌を歌うが如く

人々の喜び絶ゆることなく幸栄え

心と心を結び逢う

縁結びの集いの聖地となるであろう…

 

このように御祖神は筑波山の子神たちを賛嘆したのであります。

祭り事は尊いが、もっと尊いものは人と人との心と心の繋がり(むすび)である…。

この心の繋がり(むすび)の為に貴い神事が執り行われるべきで、それをこそ神々は望まれて居られるということであります。

だからこそ祭事は感謝報恩の意義を忘れてはならない。

古来より筑波山では宴などが行われていたようであるが、その背景には常陸国風土記に残る伝承が良い影響となっているようである。

ともすると人間は心を見失い、いつしか形態や仕来りを優先して、大切な心の真実を何処かに迷わせてしまう。

何ゆえの祭事なのか。

何のための人生なのか。

何故それを行うのか。

こうした何故を見失わない為に、人間は時折り原点に里帰りしなければならないのである。

 

 

 

  29 黎明の風 【文化編】