077 羽衣伝説

(三保松原)

 

静岡県清水市の三保半島には羽衣伝説が残されている。

南には広大な太平洋が豊かに広がり、北には湾を挟んで霊峰富士の勇姿が見える。

誠に美しい景観は人々の心を癒している。

この美しい風景に魅かれ天女が舞い降りて、羽衣を松の枝に掛けて沐浴を楽しんだという物語になっている。

そこにたまたま若者が通り掛かり、彼は沐浴を楽しむ天女に気が付かず、珍しい羽衣を手にとったのであります。

それによって天女は天界に帰れなくなり、やがて若者と地上で暮らすことになったそうである。

このような天女の伝説は日本各地の主に水辺に存在する。

女性の霊性は水(陰極)によって表現されることが多い。

因みに火(陽極)は男性の霊性で、陰陽の絆(むすび)によって新たな創造が果たされるのであります。

陰極は水を司り、空間に於いて豊かに広がりゆくことを自然の美とする。

高みより流れ、万有引力に素直に従いて低みに向かうことで、総ての生命の活力の糧となるのである。

陰(水)は生成化育の化育の部分(役割)を司り、内部より豊かに育てる働きをする。

龍宮世界の乙姫たちは清らかな心で水性の働きを神職としているのであります。

入道崎(男鹿半島)や松島(宮城)、三保松原(三保半島)や余呉湖(滋賀)、天の橋立(京都)や宍道湖(島根)、厳島(広島)なども天女の世界に通じる霊的磁場となっている。

 

 

 

  29 黎明の風 【文化編】