082 大太郎法師伝説

 

 

大太郎法師とは大男のことである。

日本各地に残されたダイダラボッチ伝説は、大太郎法師の別名である。

近江の土を掘り起こして駿河に山を造り、それが琵琶湖と富士山になったという話や、大太郎が歩いた足跡が仁科三湖(青木湖・中網湖・木崎湖)として残ったという話や、人間の干拓地造りを手助けした話など全国に多く残されている。

自然界の造形は何らかの意識を有した何者かが行ったと直接把握してきたのが、古来人たち(いにしえびと)の正しい感性であったのである。

現代人は自然界にも心があり自然現象にも意識があることを忘れている。

荒れ狂う嵐や台風、大地震や大竜巻、大噴火や大津波などにも意識があり心がある。

それはまさに大太郎法師の大掃除(大浄化)・大建替(大造作)の働きかけに他ならない。

大切なことは如何なる理由で大災害が巻き起こるのかという原因を知るということである。

この原因は残念ながら人間側に存在するのだ。

文化的感性を見失いがちな現代人は、感覚さえも機械に依存して感性の鈍重化(魂の退化)を果たしつつある。

この迷盲を断ち切らない限り、今後は更に深刻な大災害を自らの運命として迎えることになるであろう。

大太郎法師にも意識があり心がある。

しかも人間以上に真人間らしい心を有している。

感謝報恩の心持ちで大太郎法師を迎えたなら、大太郎は微笑んで優しく手助けしてくれるのであります。

 

 

 

  29 黎明の風 【文化編】