083 竜宮城伝説

(如意宝珠) 1

 

浦島太郎が助けた亀に連れられて龍宮城を訪れた話は有名であるが、この御伽噺の原形に当たるものが山幸彦物語である。

山幸彦には海幸彦という兄が居た。

山幸彦は山野での狩が得意であり、海幸彦は海川での釣りが得意であり、それぞれの得意分野を営みとしていたのである。

ある日、兄弟はお互いの仕事を交換することになった。

山幸彦は兄(海幸彦)から借りた道具を使って海辺で釣りをしていたが、誤って釣針を無くしてしまったのである。

その失態を兄は手厳しく責めたて弟を許さなかったのである。

海辺で思案に暮れていた山幸彦の前に塩土爺(海神)が現れ、山幸彦を不憫に想い龍宮城に連れて行ったのであります。

龍宮城では豊玉姫と廻り逢い、山幸彦と豊玉姫は目出度く夫婦になったのである。

ある時、山幸彦は釣針を無くしたことを思い出して落胆していたが、豊玉姫は夫が無くした釣針を見つけ出して山幸彦に手渡した。

そうして如意宝珠の御珠を持たせて夫を陸上に送り出したのであった。

 山幸彦は喜んで家に帰り釣針を兄に返したのである。

しかし意地の悪い兄は決して弟を許さず、日々の虐めはエスカレートして行ったのであります。

それでも山幸彦は豊玉姫から授かった如意宝珠によって、兄の無理難題を悉く克服して行ったのであります。

そればかりか兄の無理難題は全てそのまま兄の海幸彦に降り掛かり、ついに海幸彦は山幸彦に降参したのである。

 

 

 

  29 黎明の風 【文化編】