084 竜宮城伝説

(如意宝珠) 2

 

山幸彦が海幸彦からの無理難題を悉く克服できたのは、豊玉姫から授かった如意宝珠の恩恵であった訳だが、この如意宝珠こそ因果の理法(心の法則)の発動である。

心に思い描くものは総て現実の形となって現れてくる…。

たとえそれが悪しき物事であっても良き物事であっても、やがて時を越て思いは実現するのであります。

さらに類は類をもって集まり、同類でないものは反発するのであります。

この事実は心が清らかになればなるほど明確に理解できる真理である。

つまり龍宮城は心が澄みきった清らかな魂のみが住まう常楽平安の世界であるのです。

心の法則は時折り地上世界で説かれる心理ではあるが、人は往々にして自己流に歪曲しながら都合の良い部分だけ心の法則性を利用している。

運の良し悪しも自身の魂の傾向性によって左右している事実を悟るべきであります。

山幸彦の本名は火遠理命(ほおりのみこと)であり、その子供が神武天皇の父に当たる鵜萱草萱不合命(うがやふきあえずのみこと)であります。

こうしてこの物語は大和国日本のルーツに繋がる伝説になっている。

本来は総ての人間に如意宝珠が具わっている。

しかし人間は自我が強まるに従って穢れなき如意宝珠をワガママ色に染めて、本来の純粋無垢なる心の法則性が解らない状態になっている。

自己実現は個性化の時代を象徴しているが、我欲による自己実現は分離拡散破滅に向かうのであります。

 

 

 

  29 黎明の風 【文化編】