087 岩戸隠れ神話

(伊勢) 3

 

魂の純粋性を守らんと閉ざされた心の扉ではあるが、この固き扉を自力で開くことが出来なくなった人も現代人には多いのである。

物理的側面からみても、長らく開閉しなくなった扉は固着して開かなくなる。

心の扉も自分の意志で開け閉めする気力と習慣が無ければ開かずの扉になるのである。

心の扉は自らの意志で開かなければならない。

まず最初に必要な鍵(心掛け)は明るい希望を持つことである。

ここに夢があれば尚更よいが、希望を持ち続ける意志(持続)がないと心の扉は開かれないのだ。

岩戸隠れ神話の長鳴鳥は希望を告げる不死鳥である。

夜明けが来た(朝が来た)と心の内部に繰り返し知らせることだ。

次に自らの我が儘を反省しながら他者との協調を心掛ける必要がある。

大抵の場合、箱庭から出られない理由は、自己都合に拘る気持(我が儘)が足枷となっている。

これを岩戸隠れ神話では八咫鏡と八尺の勾玉で表現している。

さらに自己限定(思い込みの殻)から脱出して素直な気持で運命を受け入れる覚悟が必要である。

それを後押しするのが体裁を気にしない立ち居振る舞いと明るい笑顔(笑い)である。

このことを岩戸隠れ神話では逆桶の上で裸踊りをした天宇受売命と、それを見ながら高らかに笑い合った八百万の神々を通して表現している。

最後に開き掛けた心の扉は勇気を持って開ける必要がある。

疑心暗鬼な気持のままでは再び心の扉を閉ざしてしまう。

貴方自身が迷い心を断ち切らなければならない。

天手力男命は勇気を司る神であります。

 

 

 

  29 黎明の風 【文化編】