088 ヤマタノオロチ神話 1

 

 

ヤマタノオロチ神話は有名な伝説ではあるが、物語の中に現代にも通づる真実が隠されている。

古事記や日本書紀には次のように書き残されている。

高天原から追放された建速須佐之男命が川沿いを歩いていると、美しい娘と共に泣きじゃくる夫婦に廻り逢うのである。

娘がなぜ泣いているのかを問い掛けてみると、可愛い娘をヤマタノオロチに生け贄として差し出さなければならないと言うのであります。

さらに詳しく話を聞いてみると、ヤマタノオロチは胴体は一つであるが頭が八つ尾が八つ、目は血走り腹は赤く爛れて、背中には苔や木が生えている大蛇である。

夫婦には八人の娘が居たが、毎年一人づつ生け贄として娘を差し出し、今回が最後の末娘となったということである。

娘を不憫に思った建速須佐之男命はヤマタノオロチを退治することにしたのであります。

まず夫婦に強い酒気の八つの酒樽を用意させ、娘を髪櫛に変えて身に隠し、自身は女物の着物を着てヤマタノオロチの登場を待ったのである。

ついにヤマタノオロチは血走った目を蘭々と見開いてやって来た。

そして八つの頭を酒樽に入れて酒を呑み干し、酒気が強い酒に強烈な眠気を感じてイビキをかきながら寝てしまったようである。

そこで建速須佐之男命は隠し持っていた十拳の劔で、ヤマタノオロチを切り刻んだのである。

ヤマタノオロチの一つの尾を切り刻んだ時に、十拳の劔が刃こぼれをしたようだ。

その尾の部分を詳しく見てみると、中から一本の劔が出てきたのであります。

その劔は十拳の劔を凌ぐ程の威力をもつ草薙の劔であったため、高天原の天照大御神に献上したということであります。

 

 

 

  29 黎明の風 【文化編】