090 国生み神話 1

 

 

世界各国に残されている神話伝承には、天地創造を語るものが中軸に置かれている。

とくに国体が連綿と続く国家には、その原点としての役割を担うものとして天地創造神話が語り伝えられている。

日本にとって天地創造神話に当たるものは、古事記・日本書紀に書き残されている国生み神話が該当するはずである。

高天原から派遣された伊邪那岐神と伊邪那美神による国生み神話には、国土形成を通して重要な真理が語られているのであります。

伊邪那岐神と伊邪那美神が勅命を受けて天の架け橋に立ち、天の沼鉾を差し下ろして、沼鉾を引き上げた際に鉾先から滴り落ちた雫が島となった。

その島に伊邪那岐神と伊邪那美神は降り立ち、御柱を建て神殿を創りて、いよいよ国生みを行うことになるのであります。

伊邪那岐神は伊邪那美神に『汝は天の御柱を右から廻り、私は左から廻りて国生みせん』と申して二神は御柱を廻り、先ず先に伊邪那美神(女神)が『あなにえしえおとこを』と声を掛け、次に伊邪那岐神(男神)が『あなにえしえおとめを』と声を掛けて国生みしたが不完全な子が出来たのであります。

伊邪那岐神は、女神が先走ることなかれ…と、今度は伊邪那岐神から先に『あなにえしえおとめを』と申して、次に伊邪那美神が『あなにえしえおとこを』と申して国生みしたところ、淡道之穂之狭別島(あわじのほのさわけのしま)が生まれたということであります。

この小島は国生みとして重要な位置(意味合い)をもち、文化文明の中心を担う原点に当たる小島となるのであります。

 

 

 

  29 黎明の風 【文化編】