032 期間工への移行

 

 

当初の季節労働者は遠方からの出稼ぎが多く、36協定(残業規制)も無い時代に連日連夜の残業が続きましたが、それが当たり前の時代でもあったのです。

しかし彼らは季節労働者であり、農繁期には故郷へ帰って農業などの仕事や、鎮守の森の祭りが待っています。

そのため工場側は彼ら(季節労働者)が居ない間、その穴埋めに期間工員(一定期間だけ雇い入れる)を採用したのであります。

この期間工の採用は企業側の都合でしかないが、それでも高度成長期に於いては、期間終了時に延長または再契約をして、本人が自主的に辞めない限り契約の打切りは少なかったはずです。

景気は鰻登りに上がり生産工場は増築を重ね、生産ラインは常に人手が足りない状態で、企業としては嬉しい悲鳴が続きました。

そうした背景もあって期間工たちも大切に扱われたのであります。

期間工としての雇用形態は、ほぼ季節労働者たちと同じでありました。

しかしまだ終身雇用の最中にあった高度成長期には、社員との格差は当然ありましたが、何方かと言えば同時期に入職した社員よりは数段に時間給も高かったようです。

社員と期間工(季節労働者も含み)の違いは、勤続年数に従って基本給もボーナスも高まって行く社員に対して、ほぼ同じ給料で期間を働くのが期間工の契約形態でありました。

こうした違いは好景気の真っ只中では殆ど現実味を感じられず、むしろ若い社員たちは期間工(季節労働者を含み)の高給取りを羨むことが多かったのです。

 

 

 

31 水龍の旅 【経済編】