076 個別経営(中小)

 

 

事業が軌道に乗り始める頃、気を付けなければならないことは、自身の心の中に生ずる驕り高ぶりであります。

自己誇示しないと治らない人間は多く、ここが個性化を許された地上人間の難しい所ではないでしょうか…。

自分の気持ちを鼓舞しながら成長してきた事実は事実としても、返す刀で普段は目に見えない大きな力に導かれてきた事実も、事実として受け入れなければならないのです。

ここに個人的な信仰が有る無しに関わりなく、心を満たす感謝の想いは、人間を真なる人間として常に原点回帰させることになるでしょう。

中小企業としての心掛けは、まさに感謝の心であります。

とくに会社そのものを育ててくれた主要製品に対しては、並々ならぬ感謝の念を注ぐべきでしょう。

その製品を縁として驚くほど多くの方々を繋いで致だけたはずなのです。

その主要製品に於いて繋がった縁は、経済流転の法則に従って円やかな人間関係を構築するのです。

こうした心の交流こそ信頼関係を育て、縁が円となって人間社会を善意で満たすのであります。

たった一つのヒット商品でも想い入れが正しければ、長く広く社会に受け入れられるのです。

そうしてさらに顧客の声を命綱として改良を重ね、メガ商品としての王道を開いて致だきたい…。

感謝の想いで繋がった個別経済は、単体の商品だけでも十分に使命を果たせます。

しかし経済流転は、本来の姿は無限生長を続ける生命の流れであり、時代とともに変化を促されるのも真実であります。

潮の満ち引きのように満潮期ばかりは続かないことを予想して、新商品の開拓を密かに同時進行させることも忘れてはならないでしょう。

やがて訪れるであろう潮時を読み取る能力も、幾人かの社員の人生を預かる経営者は持ち合わせるべき能力であるはずです。

 

 

 

31 水龍の旅 【経済編】