107 過去を旅する夢追い人たち A

 

 

人間は一人残らず神の子です。

大生命(大神)から流れてきた神の命を戴いて、個性の煌めきを通して命を次代に継承することで、神の子の証明を果たすのであります。

その生命の流れに蓋をする行為が我欲(私心)であります。

素直な心は生命の流れを純粋無垢なまま次に受け流す愛行となる。

それを濁らすものが我流に拘る私心であるのです。

いつの日か人間は装飾を好み、自分可愛さのあまり素直な心を覆い隠してしまいました。

身に付けた装飾(見た目)の価値ばかりに目が行き、人間の本体である生命そのものの価値を忘れてしまったのです。

頭(思考)の被り物(地位や名声)を投げ捨てなさい…。

他人の評価を気にする思いが思考を鈍らせていた原因である。

手に掴んでいる杖(縋る気持ち)を投げ捨てなさい…。

外部価値への依頼心が本来の主体性を疎外していた原因である。

腰に巻いている帯(自己保身)を投げ捨てなさい…。

自縄自縛(拘り囚われ)の思いが自己限定の原因である。

羽織っていた上衣(隠れ蓑)を投げ捨てなさい…。

装飾で身を覆う隠蔽癖が内なる生命力を枯渇させていた原因である。

履いている袴(二股意識)を投げ捨てなさい…。

どっち付かずの優柔不断さが選択を決し得ない弱き心の原因である。

身に付けた宝石(外部価値)を投げ捨てなさい…。

物的価値への依存が生命の煌めきを萎縮させた原因である。

手に嵌めた手袋(心配症)を投げ捨てなさい…。

過剰な潔癖癖が病魔に打ち勝つ力を弱めていた原因である。

足下に履いている靴(恐怖心)を投げ捨てなさい…。

過保護に心配を重ねる取り越し苦労が自立を妨げていた原因である。

古事記の神話に書き記された伊邪那岐命の禊祓いは、如の此く行われたのであります。

過去を旅する夢追い人たちよ、貴方たちの心の旅は観光ではない。

自分自身の純粋個性を見い出すための原点回帰(魂の帰郷)であるのだ。

 

 

 

31 水龍の旅 【経済編】