034 唯心論

(現象否定は現実逃避)

 

地上世界の人間感覚を狭い箱庭(現実感覚)に押し込んだ唯物論に対抗するかのように唱えられたのが唯心論でありました。

唯心論は精神世界こそ全ての根源であり、地上世界は心の赴く処に従って存在を現した仮存在の世界である…と。

そうして唯心論は長き時を経て唯物論との双璧のような姿形で対峙してきたのであります。

元来の唯心論は実相世界から降ろされた論法でしたが、その性質の高さ故に地上世界の人間には少々理解が難しい論説であったようです。

唯心論を正しく伝授するためには受け取り手の霊性把握に左右されるため、霊的人間としての最低限の悟り(霊性に於ける客観視)が必要不可欠になります。

自己限定の殻を自ら打ち破らなければ、真なる唯心論の極意は得度が難しいのです。

しかしそれを可能にするものが信心であります。

目に見えない心の世界を疑いなく信じるためには、神に対する信仰心が命綱となっています。

そのため信仰心が深ければ悟りの程度が浅くても唯心論を受け入れられますし、信念の力が強ければ心象の世界を物質化現象で地上に顕現することが可能になります。

しかしこれは科学的根拠で証明するには未だ時代が幼な過ぎる…。

そうした背景から現代人たちは唯心論よりも唯物論を頼りにしがちであります。

未来の霊性科学者たちは唯心論を科学的アプローチからも証明することが急務となるでしょう。

地上的根拠が薄い現代の唯心論は寧ろ人々に現実逃避と誤解されがちである。

なぜなら地上世界に生活しながら霊的世界を強く主張するわけで、その主張が唯物論と衝突する毎に現象否定を論説に入れざる負えないからなのです。

余りに強く現象否定を説けば社会人としても現実逃避者に思われてしまい、精神世界の実証をするための唯心論が人々を迷わす材料にされてしまいます。

従って唯心論は、いずれ唯物論と融合された新しい論説として説かれることが望ましく、その整合性を一つに纏めて新論法として生まれ変わる時期が近ずいています。

その新論法を側面から証明する使命が未来の霊性科学者たちに委ねられているのであります。

 

 

 

32 未来への礎 【科学編】