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082 車輪 |
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大きな物体を移動させる時に、その物体を多くの人々が協力し合いながら倒して引きずって行く…。 長野県諏訪市に伝わる御柱祭は、神木を氏子の皆さんが力を合わせて運ぶ儀式であります。 そこには現代的な機械も車両も使わず、総てが昔ながらの人力と伝統を継承して現代も行われているのです。 祭事は神と人とが報恩感謝の祈念の元で一つになる儀式である。 科学技術が栄えた現代に於いて、人間が忘れがちな原点(大和精神)に立ち帰るための尊い時空間が祭事には残されている。 しかし科学は先走らなければならないのです。 利便性と機能性を追求しながら、人間の諸生活に安らぎや豊かさや心のユトリを実現するものが科学の使命役割であります。 人間は心の余地が無くなると対人関係に於いて角が立ち、ギスギスした対応が多くなり、四角四面の社会の中で働くだけのロボットに成りがちです。 思考回路は二次元(平面的)一次元(利己的)に閉じ籠り、他者との交流に摩擦や障壁を起こしがちである。 こうした現状を回避するために、科学は人間の思考回路を三次元(空間的)で無限なる可能性に導く為の働きをするのであります。 その一番目の大いなる発明が車輪でありました。 車輪は点と線(一次元)と面(二次元)を繋いで空間にループ(三次元)を創造した科学的発明であります。 この車輪の発明によって様々な産業も興されました。 それにより世界経済も活性化して社会生活も豊かになったのです。 人間関係にも車輪の概念が必要です。 利己(一次元の拘り)や保身(二次元の壁)で生きる人間関係には摩擦や障害が尽きません。 心の中に輪を描いて、角張らず一面に拘らない滑らかな人生を展開すれば、人と人との心と心は車輪の如く繋がってゆくのであります。 人間の絆は糸(意図)の両端を結んで円(縁)を創ることで深まるものなのです。 お互いの気持ちを配慮しながら生きることで、運命の絆は円結び(縁結び)となる…。 こうした精神が社会に浸透することを願うものが古代から伝わる日本神道の教えなのであります。 |