076  否定

(軽薄な挙げ足取り人間)

 

自意識が固定観念に毒された人間は物事の良否判断に於いて否定から入る傾向にあります。

自己中心的な解釈をする人は正義は常に自分にあり、他者は傍流へと追い遣るのである。

そのため他者の意見には否定から入ることが多くなるのです。

相手の言動の表層部分しか聞き取らず、談話の核心を探ろうともしないため、どうしても挙げ足取りが増えるのであります。

対話に於いて常に挙げ足取りをする人間は、豊富な知識を持ってはいるが使い方を間違っているのです。

知識は単なる材料に過ぎず、その知識を上手に活かして組み合わせることで凡百の知識は始めて智恵となるのです。

ただ単に知識が多いだけであるなら宝の持ち腐れである。

長々と知識を羅列するだけであるのなら無用の長物である。

一つの単語に自分流の固定観念を縛り付けているだけなら、その単語は凝り固まった死語となる。

本来は凡ゆるバリエーションを込められるのが言語であります。

同じ言葉でも扱う人によって、言葉に込めた想いには相違があるのです。

どういった意味合いが込められているのかを何ら詮索もせず、表面的解釈しか出来ないような挙げ足取り人間は、自身の惨めな醜態を公衆の面前で暴露しているのと同義である。

これが人間社会に深い信頼関係が薄まりつつある理由の一つであります。

日本古来より伝わる大和精神には魂の奥底で繋がった深い信頼関係がありました。

戦国時代に於いても高い徳性を有した武将は、敵対する武将の立場(心模様)を察して全軍の采配を変えたのであります。

たった一言で自身の命運が定まってしまう命懸けの時代に於いて、言葉に込められた様々な意味合いは、人格の深さや豊かさを探る命綱でもあったのです。

現代を翻ってみれば、巷に溢れる言葉の数々は造語隠語を含めて言葉遊びに使われている。

また言葉に職権を掛けて隷属的強権の為の材料に使っている。

言葉の表面のみに引っかかって意味合いを探らず、浅はかな失言程度にしか解釈しようとしない。

どのような意味合いで言挙げしたのかは有識者であれば説明出来るはずであります。

近い将来、軽薄な挙げ足取り人間は智恵なき知識人として蔑まれる時代が到来するでしょう。

 

 

 

34 霊性開示 【封印打開編】