011  物欲

 

欲求の中で近年台頭してきたものは物欲であります。

物欲は現象的な物品に対する欲得願望である。

物品そのものには固定価値としての存在意義があり、使用する人の利用価値や所有する人の秘蔵価値などが含まれるのです。

つまり物品に価値を注ぎ込むことで、形態としての物品が資産にも財産にもなる。

その反面、流入価値を失うと無用の長物となったり、人的価値を貶める足枷となったり…。

その物的価値は時代と共に移り変わるものでもありますが、そこに新価値を注ぎ込めば時代の流れに左右されない真価値として重宝されるのであります。

こうした物品に対する価値尺度を誤ると、物品を収集すること自体に価値観が移り、物量の多さに満足をするような無価値収集家となってしまいます。

例えば骨董品に価値を見い出すならば、物品の色彩や造形の希少さに存在意義を置くにしても、その物品を通して当時の暮らしを想起させる範囲が広いほど文化的価値は高いのであります。

それは旧来の人々と現代人の心を結ぶ機縁として貴いのであり、物品そのものの特異性には精神的価値が薄いのです。

現象的利用価値も心象的秘蔵価値も見い出せない物品に希少価値だけを追い求めるなら、どれだけ膨大な物品収集を果たしても自己満足以外の何物でもありません。

装飾品そのものに価値があるのではなく、装飾品を身に付ける人の人間性そのものに価値があるのです。

そのため同じ装飾品を身に付けたとしても、人によっては人間の醜さを増強するような魔性の魅惑を発するだけである。

物品に対する欲得願望は、そのまま経済流転に多大な余波を与えるため、欲得願望を募らせることで現代の各企業は利潤追求を果たしてまいりました。

その行く末が高度成長期の末路であるバブル崩壊であったのです。

偽りの繁栄(欲得願望)は、人心崩壊を重ねた先に何時か必ず破綻するのです。

これは小さな家庭内でも起こり得る現実であり、物品に対する本来の価値基準(文化的真価値)を見失えば、最小社会の家族の人心が混迷して家庭崩壊に繋がり兼ねない。

物欲の抑制はシンプルさの追求から始まります。

断捨離には明確な価値基準が必要になるはずです。

物品に対する極端な依頼心や依存心は、神の子人間としての努力精進を弱める結果を招くのであります。

 

 

 

35 霊性開示 【受難克服編】