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様々な個性が乱立する人間社会を纏める為には秩序を司る法が必要になります。 調和ある社会には簡単な取り決めがあれば良いが、混沌に近い社会ほど複雑な法体系が必要になります。 個別意識に偏った人々は言葉のバリエーションが浅いのです。 その為に一言だけでは真理が理解出来ず、むしろ自己流の思い込みで言葉を曲解するのです。 そうしてたった一つの条例を説明するのに数限りない条文が必要となり、但し書きや注釈なども含めて法令事項が膨らんでしまうのです。 文化的素養が浅い時代の法令は複雑な内容に成らざる負えない。 一を聞いて十を知る人々は調和の世界の住人であるが、一を知る為に十を要する人々は混沌の世界の住人であります。 それでも複雑な法令があれば司法の下に秩序は保たれるでしょう。 悪法も法であるが故に秩序を守る為には遵守するしかない。 しかし人間の精神レベルは時代と共に高めて行かなければならないのです。 そうでなければギリシャの繁栄期に悪法も法なり…と、本来は無実で有りながら有罪判決を受けたソクラテスの悲劇を歴史は繰り返すことになるでしょう。 秩序にも時代と共なる発展段階がある。 悪人ばかりが集まる世界にも悪人なりの秩序があり、力の倫理が恐怖感を助長させながら仮初めの平定を保っているのです。 また善人ばかりが集まる世界には調和の倫理が想い遣りの心を起こさせて、天国的な秩序が保たれているのです。 自然界にも秩序があり、大調和の佇まいは其のまま芸術的な秩序を現出しているのであります。 戦乱が絶えない現代社会の秩序には防衛力が必要不可欠である。 大切な家族を守れないものが、対話も出来ないような迷妄犯罪者の横暴に対して、成す術もなく殺害されるのを待つだけでは自分自身さえも守れないでありましょう。 対話を用いた平和的解決は、相互に分別のある信頼関係が無ければ絵空事に他なりません。 野に放たれた猛獣に襲われた時に素手で立ち向かうほど虚しいものはない。 かつての大和国は防衛力に於いて国を守り、防衛国であるが故に他国からの侵略戦争には勝利したのであります。 攻撃力にて国を守らんとすれば、壊すものは壊される心の法則に従って自国が滅ぶ運命にあります。 戦争状態にある仮初めの秩序は力の倫理である。 全ての解決策を力量の大きさで競う野蛮な倫理である。 地球が誕生してから凡そ45億年が経ちましたが、人類の総意は未だに野蛮な精神状態のままであります。 この事実が巷の人間関係に其のまま反映されているのです。 |