099  主体性の確立を果たす

 

運命とは既に決められたものだと思いがちではありますが、逃れられない運命を如何なる意味合いとして捉えるかで、人間の人生は大きな違いが出てくるのである。

この運命を説明するものとして精神科学では氷山の喩えを用いています。

海洋に浮かぶ氷山は、氷山自体の全体像からすれば一部分だけであって、その殆んどは海下に沈んでいます。

これを人間の精神分析に当て嵌めれば、氷山の一角(海上)は人間の顕在意識(けんざいいしき)に当たりまして、これは地上の感覚に頼りながら見たものを見たままに、触れたものを触れたままに、聞くもの味わうものを聞いたまま味わったままに、現実を現実のまま記憶に写す表面意識そのものです。

人間は顕在意識に依存しながら人類共通の感覚を用いて相互に交流を深めるのであります。

ここで話を氷山の喩えに戻しますが、氷山の一角(海上)である顕在意識に対して、海下に沈んでいる氷山の本体は人間の潜在意識(せんざいいしき)に当たりまして、これは人間の心の奥深くに広がる膨大な意識層(意識の本体)になります。

そうしてこの潜在意識こそ人間の魂の傾向性を有した運命の正体であります。

つまり表面意識(氷山の一角)では南に流れて行きたいと努力していても、海底の潜在意識(氷山の本体)では北向きの海流に流されている…。

するとどんなに表面意識で南に向かわんと泳いでも、意識層の本体である潜在意識が逆に進んでいては北に流される運命にあると言うことです。

これは人間が表面意識で幸せになりたいと思いながら、深層心理(潜在意識下)で不幸観念が魂の傾向性になっていたなら、不幸側に流される運命になると言うことであります。

これとは逆に表面意識で不幸になりたくても潜在意識下の魂の傾向性が幸福観念に満ち溢れているなら、結果として幸福な人生に落ち着く運命を辿ると言うことであります。

この人生の運命を決定している潜在意識(魂の傾向性)は、過去世の経験等に基付いた記憶の集積で出来上がっています。

要するに潜在意識は自分の意識習慣で創り上げてきた魂の傾向性である。

自らの意識で創り上げてきた習性(魂の傾向性)であるのなら、同じ自分の意識習慣で運命を改善することも可能である。

その為に最初に取り組むべきものが主体性の確立であります。

 

 

 

35 霊性開示 【受難克服編】