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103 調和の力 |
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たった一人の力では面前の障害に対して、現状の力量を越えた大きな壁を乗り越えることは難しいでありましょう。 有限の世界に於いては個人の限界が全てであります。 この限界を個人的な努力で一つずつ越えて行くことも必要であります。 そうした努力精進に感応して何時しか助力が得られる事がある。 人間としての徳性(うつわ)が形成されたなら、その器なりの光明(精神的力量)が溢れ出すのであります。 つまり徳性(器)を磨いて自己拡張を心掛ければ、徳性が高まり広がり深まる毎に、溢れ出す光明(精神的力量)も威力を増すと言う事であります。 この徳性形成時に個性としての自我が薄まるなら、他者との心の交流が始まるのであります。 それは個性の違いがあろうとも魂の根本で響き合う何かがある。 その核となる響き合いが個性と個性を心で呼び合い引き寄せ合うのです。 そこに調和の力が発揮されるのであります。 本来の調和には個性の否定は必要がなく、寧ろお互いを生かし合う為に自己自身の個性を最大限に発揮して、得意な分野を自発的に提供することで調和を保つことになります。 強い個性も共通概念の為に行使するなら、その特異な個性を更に高めることは善に叶うのである。 個性の潰し合いは調和に非ず…。 それは我欲と我欲の醜い相剋に他なりません。 自己主張の暴走は調和に非ず…。 それは我儘と我儘の低俗な論争に他なりません。 自我力に拘る人間は、敵対する相手が強大であると物理的力量に頼らざる負えないのです。 機械力、経済力、科学力、武力兵力。 行き着く先は核兵器にでもなるのでありましょうか…。 そのため人としての心を見失うのであります。 人間関係には信頼が必要不可欠である。 信頼は1日にして成らず。 小さな想い遣りを地道に重ねて心と心が一つに繋がるからこそ、培った信頼関係は簡単には崩れないのです。 現代の企業倫理には信用を得る為のビジネス思考が幅を効かせております。 しかし信用は目で見て手で触れられる形態を求める為に、幾ら高く積み重ねたところで、たった一度の失態で簡単に崩れてしまうのです。 それに反して地道に想い遣りを重ねた信頼は失態が続いても失うことはなく、お互いの良心が相互の立場や心境を感じ取るが故に、苦しい状況を影に日向に助け合い励まし合うのである。 こうした心の交流こそが本物の調和の力として一枚岩に生長するのであります。 |