091 人柱の真意義

 

自分の為だけに生きる我儘人間は我が強くなり個性色が濃くなり魂の物質化が進みます。

そのため周囲から我の強さが目立つようになり、その分だけ良し悪しに関わりなく多くのリスクを背負うことになります。

そのような自我の強い人間が現代社会には溢れてまいりました。

自分の夢だけを追い求め、自己評価ばかりを気にして、自らの待遇を他者との比較に求め、優越感・劣等感に一喜一憂するのであります。

自己愛も尊い愛の一面ではありますが、利己心で魂が腐ると周囲の人間の存在が同じ生身の人間としては徐々に見えなくなるのです。

自らの優越感だけでは人は正しく成長しない。

ましてや自らの劣等感だけでも人は正しく成長しない。

自分以外の諸々の人々の感覚・感情を理解しなければ、人間社会の中で自己自身の真なる生長は有り得ません。

人は一人では生きて行けないのです。

優越感も劣等感も同じ時代を生きる人間として、魂を生長させる心の糧になります。

しかしそうした尊い心の糧の有り難みを殆ど感じられない迷妄者たちは、現実主義・刹那主義の毒酒に酔い痴れて、独善独歩の道を盲目のまま驀進しています。

そのような迷妄者が多い時代精神は時折り人柱を要求してまいります。

迷妄時代が要求してくる人柱は、悪事等の責任を全て一人の人間に背負わせて闇に封じ込められる(言わば被害者である)悲しい末路の人間であります。

自我我欲者たちの欲望の尻拭いをさせられ、社会的地位も人格的名誉も経済的資産も全て削除された挙句、闇に葬られる運命を辿った悲劇の人柱が未だに無くなりません。

しかし本来の人柱の真意は、自分の為ではなく人の為に人生を生きる人間が、その生涯の総てを賭けて天命を真っ当する生き様であります。

人の為の人生を貫き通す高徳者たちは、その清らかな精神ゆえに魂が限りなく透明な色彩となっているため、実相世界からの光明を遮るものが少ないのです。

そのため人間臭が薄い分だけ同時代の人々には認知され辛いが、後の世で歴史の流れを精査された時に、誰よりも重要な役割を生きた尊い人格者として永く慕われるでありましょう。

日本の歴史上では何人もの偉人が数え上げられますが、大和国の最大最高最奥なる根本的な精神的人柱は天之御中主大神であります。

 

 

 

38 霊性開示 【大和精神編】