003 相対原理

(自己反省を通した客観視)

 

自己確立は魂の基礎であると語られました。

人間にとっての基礎研鑽は『謙虚の徳性』であると言うことでした。

そしてこの『謙虚の徳性』は生涯の友としなければならない。

強いては永遠の道連れとしなければならない。

転生輪廻の果てに時代が移り変わろうとも、『謙虚の徳性』だけは魂の傾向性として来世の人生を手助けするでありましょう。

時代が変わり社会が変われば、対人関係にも変化が訪れます。

その時に自己存在の在り方を客観視(現状把握)出来なければ、相対的に関わってくる相手の存在意義を正確に掴むことは出来ないのです。

正しい自己確立は客観視を磨き、自分も相手も冷静な立ち位置で看破することが出来るのです。

そうなると相対的な人間関係を、心の見地で正確に掴むことが出来るようになります。

自分の事だけで精一杯の人間は、幾ら技量を磨いても未だ一次元人間なのです。

一次元は点と線の世界感である。

自己存在を客観視(第三者的な目)で見れないと言うことは、意識は未だ点と線の世界に属しているのであります。

つまり自己流に拘る人間は一次元人間であり、自我我欲を貪る人間も一次元人間である。

視点(尺度)が自分である間は、三次元世界に生きていながら、意識は一次元世界(点と線の世界)の住人なのです。

この意識が『謙虚の徳性』を磨くことで、自己反省を通した客観視を身に付ける毎に、一次元人間から二次元人間に魂が昇華されるのであります。

二次元は平面の世界感である。

自分も相手も同じ平面の世界で関わり合うことで、夫々の領域(持ち場)が交わったり離れたりすることで、相互の認識の誤差を知ることになります。

そこに相対的な感覚の違いがあり、自己存在の在り方も、他者存在の在り方も意識が知覚出来る心境になれば、人間の意識は二次元世界の住人として認定されるのであります。

この一次元意識と二次元意識の境界線(違い)は、自分の事ばかり考えている人が一次元人間であり、周囲の人々の気持を考慮することが出来る人が二次元人間になります。

視点が自分にある間は一次元を越えられず、尺度が自分にある間は二次元意識は程遠い状態です。

こうして見ると現代社会には何と一次元人間が多いことか…。

しかも自覚を持たないまま一次元意識のまま生きている人間が、自由奔放な振る舞いで社会を混乱させているのです。

しかし二次元意識の人間たちも或る程度は社会情勢が見えるにも関わらず、成す術もなく傍観者を装っているのであります。

 

 

 

 40 むすび大道 【天孫降臨編】 〇次元