016 学徳

(学ぶ姿勢が無ければ、人間の魂は枯渇する)

 

歪んだ知識が横行する時代に、最も足りないものは学徳であります。

学ぶ姿勢が無ければ、人間の魂は枯渇して、目先の刺激物を貪るように喰い荒らします。

食欲・性欲・睡眠欲等は、魂の栄養が足りない状態の時に募る欲求である。

人間は心の糧が足りないと、不足要素を感覚的な欲求で満たそうとするのです。

こうした人間の悪要素を追求することで、先の高度成長期は繁栄を齎らしましたが、その分だけ人としての大切な心を見失ってきたのが現代社会の現状であります。

学徳は心を学び、忍耐力を鍛え、霊耐力を養う為の大切な精神の糧である。

心の糧を摂取することが出来なくなると、幾ら物理的に裕福であっても人としての品位が損なわれます。

何故なら魂が飢えた状態になっているからです。

人間同志の温かさ柔らかさ、優しさ美しさ、逞しさ頼もしさ…。

こうした心の交流は、人間社会に秩序と調和を齎らします。

しかし学徳(精神の糧)が足りない社会には、奪い合いの世界が展開して、心の餓鬼畜生が辱めもなく前面に出てくるのです。

其の日の糧に飢えた猛獣は、目先の獲物を人目をも気にせず食い散らします。

其処には弱肉強食の世界が自己展開するのみであります。

自己を見失ったままの一次元人間は魂が動物化するのです。

それは単に精神の糧が足りない状態である。

心の栄養が足りないが為に、無差別な飽食を平気で貪るようになる…。

こうした憐れな人間に成り果てるのであります。

現代人は学徳精神を取り戻さなければならない。

表面的な知識ばかりを身に纏うのではなく、総てを心の学びに繋げる為の真理をこそ学ばなければならないのです。

知識は材料に過ぎないが、其の知識を人間の心を育てる智恵にまで昇華する為には、実践を伴なう学徳こそが必要不可欠になります。

この学徳が人間の基礎精神としての自己確立を促し、正しい一次元意識(基礎精神)を構築するのであります。

磐石な足場を構築しなければ、上位意識(二次元以降の精神)を支え切れないでありましょう。

一次元意識に安住する迷妄者たちには、人格者としての品位が重過ぎて、未だ軟弱な精神のままでは品格を支え切れない状態であると言うことです。

この一次元意識部分の基礎構築は永遠の課題になります。

基礎研鑽を無くした(見失った)が為に精神が空中分解を起こして、魂を奈落の底まで堕としてしまった迷妄者たちが、今も地獄の奥底で悲痛な叫び声を上げ続けています。

 

 

 

 40 むすび大道 【天孫降臨編】 〇次元