086 光徳

(純粋個性に立ち返ることが徳性開発の命題)

 

人間にとって最も大切な生き方は、神の子の自覚を深めながら理想を追い求め、愛心を深め合う生き方であります。

人は一人では生きて行けません。

人生の命題は他者との調和にあり、全ての生命との共生にあるのです。

更に魂心境を高めながら高次元意識に融和することが、総ての生命に刻印された自由意志の発露である…。

こうして人間が生きることで魂心境を正しく高める生き方が、そのまま人間の徳性昇華に繋がると言うことです。

新創世記を紐解くと、徳性には魂心境に応じた段階があると言われております。

自分にない何かを進んで求める学徳から始まり、社会人の中で相互に守らなければならない道徳があり、人格者としての基礎研鑽に臨むことで人徳を高める必要があります。

更に高次元の徳性として、人知れず善事を天の蔵に積み重ねる陰徳があり、心が浄化される毎に霊徳が精妙化され、その延長線上に神徳へと繋がる徳性開発が待っているのです。

その徳性開発は転生輪廻を超越して陽徳を高めながら、人間の魂の故郷である実相(光明)世界に里帰りすることになります。

つまり徳性開発の最極致は光徳でありまして、神の子(光の子)としての純粋個性に立ち返ることが徳性開発の本来の命題であります。

光徳は八次元意識の魂心境であり、純粋個性(実相理念)としての魂心境を維持継続することが出来るからこそ、地上世界に光臨しても如来の神格を保つことが出来るのです。

要するに八次元意識の魂心境を心に有した人間は、自らの本体が光明そのものであるということを自覚(実観)しているのであります。

その悟りの高さ深さが人間離れしているように思われがちですが、八次元意識の魂心境に至るまでには数え切れない程の転生輪廻を繰り返し、予測出来ない程の経験値を実体験しながら、努力精進を人知れず積み重ねてきた実績があるのです。

これは個別意識の人間には途方もなく遠い問題ではありますが、小さくとも目先の努力精進を一歩づつ積み重ね続ける徳性求道者にとっては、地道な歩みの矛先に見える確かな希望であり、確実に訪れる未来像でもあるのです。

幽谷の奥地山間から湧き出た聖水も最初は一雫の水滴であったものが、谷間の小川から支流に流れ込んで、やがて本流に合流融和して大河となるのです。

総ての水滴の行く先は水流の故郷である大海原であります。

 

 

 

 40 むすび大道 【天孫降臨編】 〇次元