048 現状把握は汝自身を知ること

 

 

目先の障害に道を塞がれたとしても、その貴重な経験を分析して克服するなら、間違いを繰り返さない智恵と教訓を抽出することが出来ると言うことでした。

そのためにも反省回顧(現状把握)と心の浄化(軌道修正)は避けては通れないと言うことでした。

反省回顧とは過去の振り返りです。

自己反省の習慣が無いと、過去の経験は記憶の最果て(潜在意識)に遠ざかるだけで、表面(顕在意識)の記憶としては何も残らないのです。

心の奥底に隠れてしまった思い出を、正確に思い出すことは難しい筈です。

其の最果ての記憶(思い出)を思い出す為には、その記憶を潜在意識から引き出す為の鍵(キッカケ)が必要になります。

其の鍵が大切な思い出を、潜在意識(記憶の大海)の何処に在ろうと、迷子にさせないように紐付けをする作業になります。

この記憶の紐付け作業は、経験を積んだ初期の段階で行わなければ、逃した魚(思い出)は捜索不可能な大海の何処か遠くに紛れ込んでしまうのです。

つまり自己反省はリアルタイムに行わなければ、大物の魚(貴重な記憶)を繋ぎ止めておくことは難しくなる…。

後から一年前や十年前の思い出をピンポイントで引き寄せて自己反省することは困難であります。

一週間前や一月前の思い出も、なかなか思い出せないのが現状の筈です。

昨日の会話や行動などを細めに再現することさえままならない…。

忙しい現代人には今日一日の振り返りすらしない人が多い筈です。

反省回顧は現状把握(記憶の再確認)であり、思い出の紐付け作業(心の整理整頓)であります。

膨大な記憶の大海を総て網羅するには徳性を高める必要がある。

日々の自己反省を怠ることなく、地道な基礎研鑽(反省回顧)を積み重ねて致だきたい。

徳性開発の基礎は、反省回顧(現状把握)と心の浄化(軌道修正)であります。

通り縋りの思い出たちを、貴重な経験知に変えて、未来の貴方の混迷期を助ける教材としておけば、その経験知(教訓)は周囲の人々を救う命綱とも成り得るのです。

その為にも先ず貴方は、汝自身を正確に知る必要がある。

色眼鏡(固定観念)を潔く捨てよ…。

見栄や酔狂(プライド)を捨てよ…。

邪まな自分の心持ちに気付かなければ、徳性開発の其の先は有り得ないのであります。

 

 

 

  42 むすび大道 【相対原理編】 二次元