052 道徳は香り高き人格者の育成

 

 

学徳は、何故…という疑問符を持ち歩き、どうして…という探究心を発動させ、どうすれば…という前向きな対抗策を思案することで、徐々に育まれて行くものであると言うことでした。

この学徳(一次元意識)が進化を遂げた姿が道徳(二次元意識)であります。

個人的な悟りを求める段階は一次元意識であり、この段階では個人が認める範囲内での学びに過ぎないと語られましたが、二次元意識として求められる徳育は、人間関係に於ける道徳になります。

道徳とは人が生きる道に於いて、相互に学び合う徳性である。

自分一人の考え方や生き方が、他の人々と共有できるものと出来ないものが有る事を知って、現在只今の自分の考え方や生き方が何処まで通用するのかを、人間関係の中で学び合うものが道徳であります。

この道徳を学ぶ事で、より深い知恵が身に付くのであり、人間として正しく昇華した人格は、魂心境を二次元意識から三次元意識に格上げさせることになります。

二次元意識の段階では、相対的な共通点と相違点を正しく認識することが主題でありますが、三次元意識の階梯では共通点と相違点を知覚した上で、具体的な対策を実行に移す必要があります。

学徳が目指すものは、人間関係に於ける道徳を育むことで、人間社会に通用する人徳を形成することなのです。

現代の地上世界に足りないものは、人を導くことが出来る人格者の存在である。

人間として尊敬できる徳性を身に宿している人格者が誠に少ない状況で、我儘を押し通す自我人間や、御都合主義を優先する利己的人間ばかりが前面に立って、本来の高い徳性を身に隠した公的意識人間は、裏方に潜んでいるのが現状であります。

人前に出たがるナルシストは一次元意識人間である。

他者との優位性ばかりを気にするのは二次元意識人間である。

いずれにしても心の中に自我我欲が色濃く残されていては、三次元意識の壁を乗り越えてはいけないのてあります。

 

 

 

  42 むすび大道 【相対原理編】 二次元