069 運命的なケミカライゼーション

 

 

利己心の魔は当人の心の内部に潜み、本人の一番弱い部分を知っている…。

そして最も触れられたくない軟弱な部分を内部から威嚇して、心を掻き乱す悪行をしてくる…。

この時に忍耐力や霊耐力が弱いと利己心の魔に簡単に操られてしまうと言う事でした。

世の中の不条理を克服する為には、誰もが個人的な内部威嚇を振り払う勇気が必要になり、此処に人間存在の重要な意義(徳性開発)があり、自発的な心の進化が公的意識(心の使い分け)を強化するのであると言う事でした。

しかし一次元意識人間も二次元意識人間も、感覚陶酔や感情乱心を気にも止めず、そのまま自己表現してしまいます。

しかも心の激昂を抑えるどころか、ムラムラ沸いてくる感覚陶酔や、イライラ掻き乱す感情乱心や、メラメラ燃え盛る激昂忿怒を周囲に吐き散らすのであります。

霊的感性が閉ざされている人間には、自己自身に起きている心の展開が何一つ見えない状態である。

そのため物事の主原因が自らの内部に潜む利己心の魔であることを見抜けないのです。

利己心の魔は姿を晦まして、個別意識(一次元意識・二次元意識)の内部から人的錯乱の悪業を繰り返してまいります。

これは主原因とも言える利己心の魔を反省回顧(現状把握)して見い出し、心の浄化(軌道修正)して放逐するまで、利己心の魔の悪業は感覚陶酔や感情乱心となって続くのです。

この利己心の魔に気付かない(気付こうとしない)理由は、その心的悪業の存在を認めてしまうと、ケミカライゼーションが起きてくるからである。

ケミカライゼーションとは自壊作用でありまして、間違って構築してしまった病原を治療する為には、その最初の過程に於いて病原を解体しなければならない訳だが、その最初の解体時に物理的な苦痛や精神的な摩擦が、一時期は逆運(不運な状態)として現れて来ると言う事です。

こうした運命のケミカライゼーションを嫌って、自壊作用を避けて通るのが一次元意識人間・二次元意識人間であります。

彼らは忍耐力や霊耐力に乏しい分だけ苦痛や摩擦に耐えられず、運命克服の為の努力精進が足りないまま、感覚陶酔や感情乱心に盲目的意識の状態で悪行為を重ねるのであります。

 

 

 

  42 むすび大道 【相対原理編】 二次元